「なめらかなお金がめぐる社会。あるいは、なぜあなたは小さな経済圏で生きるべきなのか、ということ。」を 2,023 年 04 月 22 日に読んだ。
目次
メモ
小さく始めよう p103
こうして生まれている小さな経済圏的な事業を見ていると、昔のことを思いだす。
起業にせよ独立にせよ、若干言い古された言葉だけど「小さく早く」がやはり最強で、
僕が起業したときのサービスはレンタルサーバーという事業形態だった。
月3万円くらいで大容量のサーバーを契約して、その容量を小さく区切って一般の人たちに貸し出すというビジネスで、
その容量を区切るシステムは勉強しながら自作したものだった。
起業というからには会社らしい対応も必要なのだが、そこについてはメールフォームから問い合わせがあったら、
その都度手作業でセットアップする、という具合にすべて手作業で行っていた。
僕は今でも社内で「まずは人力でやろう」とよく言うけど、
それはシステムありきで考えてしまうと、かなりの時間とお金が取られてしまうことに由来する。
そうやって予算と工数を使ってがっつりしたものを作ってしまうと、
「このコストを取り戻さないといけない」というバイアスがかかってしまい、
「もしかしたらうまくいかないかも」と思っても、「いや、きっとうまくいくはずだ」と勝手に思いを転換させてしまい、
あまりいい方向に進んでいかないことがある。
本来、サービスの裏側の話はお客さんからすればよほど対応が遅くならない限り関係ないわけだし、
リスクを取らなくてもいいところでわざわざ取る必要はないのだ。
むしろ、「こうじゃなきゃいけない」という思い込みがビジネスのスピードを遅くしたり、
必要以上に大きくしてしまったり、本質からずれてしまったりする要因になる。
最初のうちは会社に勤めながら夜、作業を進めていた。
「退路を断つ」という言葉はなんだか美談のように扱われることもあるけど、
思考することを放棄した人が最終的にとる手法だと感じる。