「飯は食えるときに食っておく」を 2,023 年 07 月 03 日に読んだ。
目次
メモ
陸上自衛隊で教えてもらった言葉 p16
陸上自衛隊で教えてもらった言葉を紹介します。
「時がすべてを解決する」
「始まれば終わったようなもの」
「辛いと思うな、辛くなる」
「寝れるときは寝ろ」
「飯は食えるときに食っとけ」
「日が昇らない夜はない」
「ポジティブな言葉を言え」
「辛いときは笑え」
今も役立つマインドセットです。
シャワーの水を長時間見つめる p36
陸上自衛隊でのメンタルヘルス研修で、
「災害派遣や海外派遣時の入浴で、蛇口やシャワーの水を長時間ボンヤリと眺めている隊員がいたら、よくケアをしたほうがいい」と教わったことがあります。
人は精神的な疲労がたまると、単調な動きを見続ける傾向にあるそうです。
もし単調な動きをずっと見ていられるのであれば、疲れている可能性があるので、お大事になさってくださいね。
黒歴史からの逃れ方 p52
もし、過去の恥ずかしいことや失敗を思い出して、「うわー!」となったときは、太ももを手で軽く10回ほど叩いてみてください。
太ももの代わりに眉間でもいいです。
これは「タッピング」という方法だそうです。
脳に意図的に別の刺激を与えることによって複数の刺激を同時に処理させるのです。
すると、相対的に記憶を思い出す処理能力が低下するので、黒歴史から逃れることができるというわけです。
また、過去のことを思い出して嫌な気持ちになったときは、「自分は過去にはいない」と思ってみるのもいいでしょう。
他の人は、あなたの過去などほとんど気にしていません。
自分の黒歴史をよく思い出すのは、おそらく世界中でただ一人、あなたくらいです。
ただし、もしあなたの身の回りに、会うたびにあなたの嫌な過去の話ばかりする人がいるなら、まずはその人と距離をとってください。
学生時代の嫌な話や、自分のコンプレックスをいじるような人とかかわっても、嫌な気持ちになるだけです。
そこに何もメリットはありません。
いずれにしても、「嫌な思い出」はどうしても生きていく上で生じてしまいます。
そこは仕方がないので、折り合いを付けていくとうまくいくと思いますよ。
呼吸はコントロールできる p65
夜中に未来のことを考えて、不安で眠れなかったり、パニックになりそうなときに有効なのは「呼吸法」です。
呼吸法はいろいろありますが、気持ちが落ち着かないときは、「4秒吸って、4秒止めて、8秒吐く」のが緊張に有効的なので試してみてください。
無駄な緊張を解いてとりあえず眠れるようになると、人生はかどります。
ぜひヒマなときに練習してみてください。
私は米軍の研修で、「感情はコントロールできないが、呼吸はコントロールできる」と教わったことがあります。
怒りの感情に支配されない p68
陸上自衛隊では、怒りの感情をコントロールする「アンガーマネジメント教育」があります。
これは職場環境を良くするだけではなく、災害や有事のときに、「怒り」や「憤り」の感情に支配されないためにも行います。
私が教わったアンガーマネージメントで、「カウンティング」という方法があります。
これは、怒りを感じたときに、「6秒間」我慢する方法です。
そうすると怒りをある程度しずめることができます。
このように怒りの感情は、方法を学ぶことによってある程度コントロールできるようになるのですが、人間は感情をすべてコントロールするのは難しいです。
たとえば疲労やストレスが溜まり、自己肯定感が下がってくると、他人に嫉妬したり、攻撃したくなることも覚えておいてください。
「あいつはたいしたことがない!」と他人を見下して、自分の気持ちを保とうとするからです。
他人を攻撃しているときのあなたの機嫌は、おそらくは最悪です。
もし、あなたに気に食わない人がいるのなら、「あぁ、自己肯定感下がってるな」と思ってください。
そして早めに仕事を切り上げて、風呂に入ってストレッチして寝てください。
さらに仕事を粘っても疲れるだけだと思います。
結局のところ、早く寝て、体力を回復させることが一番自分の機嫌が取れるのでしょうね。
極限状態のメンタル p71
極限状態になったときのメンタルについていくつか紹介しましょう。
人間はストレスが強すぎると、「すべてを放棄」することがあります。
動物が「戦っても逃げても無駄!」と感じたときに、死んだふりをして窮地を乗り切るように、身体が行動量を減らして、
「やる気が出ない」「外出する気がしない」という状態になって、何もする気がなくなってしまうようです。
自衛隊で学んだ知識ですが、人間は生きるか死ぬかの状況に直面すると、ほとんどの人がボンヤリした状態になって動けなくなるようです。
これは「凍りつき症候群」というそうです。
もっとも辛いのは疲労と空腹と寝不足 p78
陸上自衛隊の訓練では、「辛いときには本心が見える」とよく言われていました。
普段は思いやりの気持ちを持って、仲間にやさしくできても、辛い状況になればなるほど、人は身勝手になります。
たとえば、重い器材の運搬を誰かに押しつけたり、勝手に休んでしまったりと、普段では考えられないような行動に走ってしまうのです。
辛い状況では性悪説で考えたほうが人の行動を理解しやすくなるので、覚えておいてください。
陸上自衛隊の演習でも、辛い状況が続くと、どんなに人柄がいい人でも、
どんなに温厚な人でも、つまらないことで怒り出したり、気配り上手な人が自己中心的になることもありました。
p90
冬になると日照時間が少ないために気持ちが落ち込む「ウィンターブルー」になる人が多いようです。
私も冬に弱いので、「早く春にならないかな・・・」と松任谷由実の『春よ、来い』を聴いて願っています。
ウィンターブルーを解消するには、日光とタンパク質に含まれるトリプトファンが有効だそうです。
つまり、「日の当たる場所で肉を食う」が気分を上げる秘訣ですね。
なお、体温を奪われると身体がサバイバルモードに切り替わるので、人にやさしくなれなくなります。
冬場に嫌みを言いたくなったら、暖かい部屋でお茶を飲んでから考えましょう。
迷彩服は着るな p102
知り合いの5歳のお子さんは、いつも派手な原色の服を着ていました。
少し目がチカチカするような、とにかくハッキリした色が多かったのです。
しかし、ご両親は地味な服を着ていました。
「どうしてですか?」と聞いたところ、「派手な色のほうが災害時に子どもを見つけてもらいやすい」と答えました。
お父さんは自衛官でした。
陸上自衛隊の経験で言いますが、「迷彩柄」はオススメしません。
理由は視認性が低いからです。
そもそも、人に見つからないように開発された柄なので、これは当然な話です。
夏場にキャンプや登山、釣りに出かける際も、お子さんに「迷彩シャツ」などを着させないでください。
小さい子どもが迷彩服を着ると、かなり見えにくくなるので、迷子や事故に遭う可能性も高まります。
そして事故に遭った際に発見が遅れます。
可能な限り、お子さんには青や赤の原色で目立つ服を着用させることをオススメします。
やる気がなくてもできる工夫をする p124
まず、仕事に対する考え方ですが、防衛大学校時代の教官は、「やる気のあるときにできるのは当たり前」と言っていました。
だから、「やる気がなくてもできる工夫をすることが大切」とのことでした。
つまり、「モチベーションで仕事をするな」ということです。
もし、「今日はやる気が出ないなぁ」という日があっても、まずは仕事に手をつけましょう。
やる気がなくても始めると、「作業興奮」という反応が起き、脳が活性化するのでだんだんとやる気が出てきます。
人間は状況が変化するときに抵抗を感じやすいので、そこさえ乗り切ってしまえばなんとかできるようになります。
だから、本当に「今日はやる気が出ない」かどうか、まずはやってみて判断しましょう。
20~30分やってもやる気が出ない時は、「少し疲れている」ときなので、
簡単な仕事をやるか、早く帰って寝たほうがいいでしょう。
そちらのほうが効率がいいと思います。
人は群れたほうが強くなる p132
「一匹狼はカッコいい!」と思いがちですが、基本的には人は群れたほうが強くなります。
特に、「災害のとき」「お金がないとき」「メンタルが弱っているとき」「身体が弱っているとき」は積極的に群れましょう。
生き残る可能性が高くなります。
ただし、「誰と群れるか」はよく考えてください。
ホウレンソウよりザッソウ p138
陸上自衛隊にいたとき、中隊長から、「部下に、ホウレンソウが大切なんて言っても意味ないぞ」とよく言われました。
それよりも、「コーヒーでも飲もうよ、と気軽に言える関係性を作れ」と教えられました。
まずは話しやすい環境や態度が大切なのです。
ぜひ覚えておいてほしいのですが、「報告・連絡・相談」の「ホウレンソウ」は「適切に報告しろ」という意味なんかではないのです。
「嫌なトラブルなどがあっても、気軽に話せる雰囲気を作ろう」という意味です。
いつも不機嫌そうな顔をして、「ホウレンソウしろ!」と怒る上司では、誰も報告にも相談にも来ません。
私はホウレンソウより、「ザッソウ」と教えられたことがあります。
気軽に「雑談」「相談」を常にすることも大切と言えるでしょう。
パワハラから身を守ろう p143
上下関係が厳しい組織では、「先輩にきびしい指導を受けた人ほど、後輩にキツく当たる」という負の連鎖をよく見ます。
もちろんきびしい指導も時として必要ではありますが、適切に行っていかないとギスギスした雰囲気だけが残ります。
理由なききびしさは害でしかありません。
パワハラは、「抵抗しない、弱そう、真面目そう」という人ほどハマりやすいようです。
ある程度は反抗しましょう。
ここで「嫌なやつだと思われたらどうしよう・・・」と心配する人もいると思いますが、「いい人だと思われたい」と思って行動すると、たいていの場合は「都合のいい人」になります。
「都合のいい人」になると、ハードな仕事が回ってきやすく、パワハラを受けやすいという「嫌なおまけ」も付いてきます。
だから、他人から嫌がらせや嫌みを言われやすい人は、「いい人をやめる」というのがひとつの選択肢だそうです。
「何を考えているかわからない」「面倒くさそうな人」と思わせて、他人からの攻撃を避けるのも方法です。
ポイントは、「適度に抵抗する、感情を出す」ということです。
たとえば、すぐに「わかりました」と言わずに、真顔で3秒ぐらい目を見て、と返事することなども効果的でしょう。
花を咲かせるために毒を出す植物がありますが、人も花を咲かせるために自衛は必要です。
本当に無理なときは「できません」と真顔で言う勇気こそが、私は必要だと思いますよ。
「違和感」を大切にする p156
自衛隊で教わったことですが、「よくわからない違和感を大切にしろ」という話があります。
「よくわからないけど何かおかしいぞ?」と感じたときは、一度立ち止まってください。
自分が気がついていない過去の経験から違和感を感じることが多いです。
すべてにおいて「何かあやしいな」は立ち止まるサインです。
初対面で、「すごくいい人っぽいんだけど、ちょっとだけ違和感あるなぁ」と思ったら、とりあえず一線をひいてください。
そういうケースは、「何か問題がある人」の可能性があります。
自分の感じた違和感は大切にしてください。
そもそも私は、初対面から「明るくていい人」の場合は、少し警戒するようにしています。
理由は、「明るくていい人」を演じている可能性が高いからです。
会話をしていて、所々に違和感を感じるようでしたら、さらに要注意です。
2~3回会ってから判断しても遅くないですよ。
また、人間関係でイラっとしたときは、「その人に悪意があるかないか?」という判断基準を覚えておいてください。
もし、「あなたをおとしめてやろう」という感じが明確であれば、注意が必要です。
しかし、たいていは「相互理解の不足」といった理由なので、思い込みであるケースが多いです。
忙しいとストレスが溜まって、相手の言動をネガティブにとらえる傾向があるので、気をつけなくてはいけません。
他人を攻撃する人 p159
人間関係にも「2対6対2の法則」があるようです。
これは、
2割=味方になってくれる人
6割=どちらでもない人
2割=何もしていなくても嫌ってくる人
という考え方です。
たしかに職場や学校でも、「いつも味方の人」と「いつも悪態をついてくる人」はいるものです。
ただし、悪態をついてくる人たちは「人生の税金」みたいなものです。
あなたの言動にかかわりなく発生する側面もあります。
そういう人に出会ったら、無理に仲良くなろうとするよりも、味方や中立の人に意識を向けたほうがいいでしょう。
もし攻撃してくる人が嫌な場合は、ヨイショ技を試してみるといいでしょう。
防大の学生時代の教官に、「他人を攻撃する人は、たいていは自己肯定感が低いことが多い」と教えてもらったことがあります。
自己肯定感が低いので、「認めてくれる人を好きになる」傾向が強く、ヨイショ技が有効のようですよ。
今が最高ではない p177
「10代、20代の若いときが人生で一番楽しい」というのがひとつの定説ですが、私は経験も世渡りスキルもなかったので、正直辛かったです。
だから、若い人には「別に今が最高じゃないよ」とお伝えしたいです。
若いときが暗黒時代だった人は、珍しくないのですから。
ただし、他人からやさしくされたかったら、ちゃんと勉強したほうがいいです。
勉強してオンリーワンのスキルや知識を身につけると、周りがやさしくしてくれます。
でも、そうした「武器」がないと、いつまでもひどい扱いを受けます。
もわろんスキルや識があろうがなかろうが、人にやさしくする意識は大切です。
しかし実は、スキルや知識がない人間は、労働市場でぞんざいな扱いを受けやすくなります。
転職活動をするとわかりますが、あなたの人間性は、「スキル」がないと面接官には評価してもらえません。
「やさしくされたければ勉強しよう」が、私が学んだ処世術のひとつです。
20代後半から30代は、「クォータークライシス」がやって来る年ごろです。
人生に散り、幸福度が下がり、「自分の選択は間違っていたのか・・・?」と思い込みます。
でも安心してください。どんな選択肢を選んでも不安はやってきます。
だから、「落ち込む必要なんてない」が正解です。