「7日間でマスターする レイアウト基礎講座」を2025年07月11日に読んだ。
目次
- メモ
- レイアウト p4
- 「レイアウト」とは――意味と範囲 p5
- 「視覚度」と「図版率」は何が違う? p23
- p25
- グリッド拘束率――自由度 p48
- 版面率――余白量 p48
- バランスが難しいグリッドフリー p50
- グリッド拘束で各々の写真が独立する p52
- グリッドフリーは全体が融合する p53
- 切り抜き版はグリッドを崩す p56
- 角版で全体を安定させる p56
- 切り抜き版をアクセントに p57
- 小さな角版でひきしめる p57
- VIPは切り抜き版にできない p57
- 小文字のフォローで生きる大型文字 p86
- 群化って何? p111
- 広い余白は主役にふさわしい p121
- 額縁効果で誌面が落ち着く p123
メモ
レイアウト p4
様式の8要素
1 視覚度
2 図版率
3 文字のジャンプ率
4 写真のジャンプ率
5 グリッド拘束率
6 版面率
7 構成の3原型
8 書体のイメージ
造形の8原則
1 主役を明示する
2 準主役は離す
3 群化(グループ化)
4 あいまいは不安
5 流れを整理する
6 余白は主役の領地
7 四隅をおさえる
8 版面線を利用する
「レイアウト」とは――意味と範囲 p5
「デザイン」とは広い意味では、「計画してものを造ることのすべて」を指す。
この本では一般に「グラフィックデザイン」、「視覚伝達デザイン」などと呼ばれる分野を扱い、これを「レイアウト」と言い換えている。
「視覚度」と「図版率」は何が違う? p23
図版率とは文章に対し図の占めている割合で、%で表示する。
前ページまでの視覚度と似た物差しだが、視覚度とは視覚的な訴求力の「強さ」を言い、図版率は「面積比」だけを指している。
誌面全体を文字だけで埋めつくされている状態が、図版率0%。
反対に、写真やイラストだけで文字のない誌面は図版率100%。
小説や詩集のように文字主体の誌面であっても、10%程度の図版率にすると、かなり読みやすくなる。
ちなみに新聞の連載小説の図版率はおおむね30%前後であり、多くの読者に読ませようとするねらいが込められている。
p25
当研究所調査によると一般的には、図(イラスト・写真)が増えるほど、好感度が増す。
特に図版率50%前後で急に好感度が高まる。
しかし、図が90%を越えると、一転して好感度が下がってしまう。
文字がまったくなくなると、無言の空間になり、いたたまれない気分になるようだ。
文字を少しだけ加えてみると、かえって図が生きてくる。
グリッド拘束率――自由度 p48
レイアウト作業で写真やタイトルの位置を決める時には、レイアウト用紙上のグリッド線に沿うのが原則。
こうしてレイアウトされた誌面は、グリッドに拘束されたレイアウトである。
一方、このグリッド線を無視して自由に配置しても構わない。
そうすると、グリッド拘束から離れたレイアウトになる。
版面率――余白量 p48
レイアウト用紙には天地左右に一定幅の余白があり、これをマージンという。
マージンの内側が文字を配置するスペースであり、版面(はんめん、はんづら)という。
誌面全体に対し、腹面の占める面積を版面率という。
版面率が高いほど、天地左右の空きが少なく、余白が少ないことになる。
バランスが難しいグリッドフリー p50
グリッドの拘束から離れた自由なレイアウトは、グリッドという手がかりがなくなるのでバランスをとるのが難しくなる。
訓練を積んでバランス感覚にすぐれたデザイナーでないと、下品な感じになりやすいので要注意。
グリッド拘束で各々の写真が独立する p52
作品としての写真をレイアウトする時は、グリッドに拘束された方がふさわしい。
各写真の独立性が強くなる
グリッドフリーは全体が融合する p53
料理の記事はグリッドをはずした方が似つかわしい。
大きな写真を楽しみながら全体が見え、次に小さな文字の説明文を読んでいく。
各々の写真や文章などの全体が融合し合い、一体化する
切り抜き版はグリッドを崩す p56
印刷する工程の1つ「製版」の方法によって、下図のような様々な型が出来上がる。
角型の版を使うのが、角版(かくはん)であり、切り抜き版とはモチーフの形に沿って形を切り抜くように製版するので、その名称がある。
グリッド拘束の強いレイアウトとは、角版を多用することであり、反対に切り抜き版を多用すると、グリッドフリーの表現になる。
角版で全体を安定させる p56
切り抜き版だけで構成した右ページに対し、左は一転して大きな2枚の角版を置いている。
この落ち着き感のために、右ページの動きが生きてくる。
切り抜き版をアクセントに p57
角版の中に1つだけ小さな切り抜き版をはさむ。
この小さな対比効果によって、誌面全体がほっとした気分に変わる。
小さな角版でひきしめる p57
主役の人物たちは切り抜き版で表し、その間に角版の小さな写真をはさんでひきしめる。
切り抜き版の自由な曲線が生きてくる。
VIPは切り抜き版にできない p57
特別な意味を持った人物は、切り抜き表現にふさわしくない。
角版、裁ち落とし、ボケ版のいずれかがよい。
切り抜きの持っている自由さの印象が、存在感の軽さに通じてしまうのだ。
小文字のフォローで生きる大型文字 p86
超大型タイトル文字に極小の文字を組み合わせると、生き生きする。
タイトル文字の大きさが際立ち、一方で誌面が緻密になり、対比によって絶妙の効果が出る。
群化って何? p111
aとb、cとdを近づけたら、2つのグループになった。
このように群化(グループ化)することによって、abcdの関係がすっきりして見える。
群化とは、形を整理するための基本的技法のひとつだ。
広い余白は主役にふさわしい p121
小さな文字でも、広い余白に置くと主役になる。
上品な誌面をつくるためには、タイトル文字を大きくせず(ジャンプ率を上げず)にレイアウトしたい。
こういう時は余白が効果的。
広い余白をとるとそこは主役の領地になる。
その中央に文字を置くと、小さくても主役にふさわしい強さが出る。
額縁効果で誌面が落ち着く p123
四隅は誌面の中で最も重要な場所だ。
小さな形であっても、四隅に置くと、画面全体が引き締まり安定する。
ちょうど絵画の額縁のように、あらたまって格調を高める効果になる。