「本の基本要素」というサイトを読んだ。
目次
メモ
本文紙面の設計について。
紙をむだなく使うにはJIS規格にすることです。
洋紙はJIS規格に合うようにカットして販売されています。
四六判,B本判,A本判,菊判,クラフト判が代表的です。
新聞紙はカットする前の紙を使い,そのまま折りたたむのでJIS規格とは違っています。
本文紙面は本文内容を記載する版面はんづらと天地左右の余白からなります。
天地左右の余白にはノンブルや柱が(時には脚注も)配置されます。
余白をいくらにとるかで紙面の表情がほぼ決まります。
結局は感性で決めるしかないのですが,指標があります。
次の表は藤野薫氏の説によるものです。
版面比率と判面の形状特性
版面比率の範囲 版面の形状特性
8分表現 %表現 名称 辺比
3/8~5/8 37.5~62.5 黄金長方形 1:1.6
5/8~6/8 62.5~75.0 2:3長方形 1:1.5
6/8~7/8 75.0~88.0 √2長方形 1:1.4
尚,頁(ノンブル)や柱(ランニングタイトル)は左右または天地の余白に配置します。
文字の大きさと行間の決定
文字の大きさは近頃はやや大ぶりになっているようです。
一般的には10ポイントから10.5ポイント(13級から15級,5号活字くらい)が多用されます。
研究論文では9ポイント(12級)が多用されます。
文字の大きさが決まると1行あたりの文字数が決まります。
1行あたりの文字数が決まると一色文臣氏の式により行間が決まります。
一式文臣氏によると
適正行間値=文字サイズ×字詰数×0.03
端数は四捨五入。文字の大きさを最大値とする。12ポイント以上は2割減ずる。
厳密に倣う必要はないと思いますが,基本として押さえておくと便利です。
特に段組みやカラム組のときに適正行間を簡単に計算できます。
上記の例では14級縦組みのとき
14級は3.5mmになります。
152.6÷3.5≒44字
行間14級×44字×0.03=18.48
14級より大きいので行間は14級とする。
行間と文字を合わせて28級,7mmなので
行数は(95.4mm-3.5mm)÷7mm+1行=14行
版面は縦が14級×44字×0.25=154mm,
横が(14行×文字14級+(14行-1)×行間14級=196+182)×0.25mm=94.5mmとなります。
上下余白は合わせて28mm,左右余白は合わせて33.5ミリメートルとなります。
柱やノンブルを配置する余白をやや多くとるといいでしょう。
左右余白は版面率が大きいときは小口を広めにします。
以上の計算はベタ組み(文字間がゼロ,文字送りが文字の大きさ)と同じという前提です。
現代では字間を開けないベタ組みが主流となっています。
何かの都合で字間を開けるときは行間がわかるように設定してください。
字間を開けて行間を詰めると横組みなのか縦組みなのかよくわからなくなります。
ノンブルとランニングタイトル
ノンブルとランニングタイトル(柱)は中央か右端か左端,天か地の余白にまたは小口の余白に入れます。
ノンブルは頁順を示す数字で,数字の大きさは本文と同等以上にします。
ランニングタイトルは本をパラパラとめくって内容を大づかみするように章のタイトルなどを本文と同じかそれより小さい文字で記載します。
ノンブルもランニングタイトルも本文の行間以上空けて配置します。
文字送りのベタについて。
試しプリントの行長を定規で計ってみてください。
1ミリ以上の誤差があると文字はベタ送りになっていないのです。
ベタ組みで一番文字は美しくなります。
文字数と行数を変更したいときは標準の字送りを使用するをチェックしてください。
ジャンプ率について。
号数活字の場合、文字のサイズのジャンプ率は等比数列上に大きさが定められているみたい。
見出しと本文の文字の大きさをジャンプ率といい,紙面の品位,訴求効果を表すバロメータになる。
通常文芸誌は2倍以内,グラフ誌は6倍から10倍,スポーツ新聞でも20倍くらいだから,
この携帯の広告は実に大きなジャンプ率で,訴求効果どころか偽装効果だと公正取引委員会は判断したのだろう。
ジャンプ率は紙面を組み立てるのによい指針となる。
本文が9ポイントなら文芸誌の一番大きな見出しは18ポイント,中見出しは12ポイントという風に選べる。
これを24ポイントもの見出しで小説のタイトルを組んだりすると,週刊誌じゃないよと怒られる。
号数活字は初号と1号を基準に初,2,5,7または1,4,3,6,8,と1/2の等比数列状に大きさが定められています。
変な文字の大きさは使わず,これらの大きさを見出しに使うと品のいいバランスのとれたページができる。
こんなことを考えながらDTPに取り組んでみよう。
ジャンプ率を中庸にとるとバランスのとれた紙面になる。
品格を上げるにはジャンプ率を低めにし,活発な紙面を作ろうとしたら思い切ってジャンプ率を大きくとる。
活字の大きさの選び方でも紙面の顔色が変わっていく。
今はかなりボディが大振りにできている。
そのせいか本文は9ポイントを使うことが多くなった。
また,老齢化の影響か10ポイントの本文が見やすいと好まれてもいる。
尚,今でもボディは呼称より少し小さい。そうでなくては隣の文字とくっついてしまう。
ついでに言えば,字間は0に取るのが基本だ。これをベタ組みと呼ぶ。
見づらいからと字間を開けるのは読みづらくなる。
横組みの時かななどの間が空いて見えることがある。
これを詰めて組むのを詰め組という。
大きな見出しは必ず詰めで調整する。
本文はGと付いた書体を使うとかなが詰められる。
かなが大きくなっているので,私は必要ないと思うし,読みづらいと思うが,この頃のデザイナーは詰めが当然だと主張する。