「不滅のデザインルール」を2025年03月17日に読んだ。
目次
- メモ
- 村上雅士氏インタビュー p11
- 村上さんにとってデザイン、デザイナーとはどのようなものでしょうか? p11
- 普段制作物を作るにあたって心がけていることは? p11
- 村上さんにとって「良いデザイン」とは? p12
- クライアントへのヒアリングはどのようにしていますか? p12
- 感覚的な言葉から具体的な表現に持っていくにはどうするか? p12
- デザインを作る際の手順 p12
- デザインの強度とは? p14
- 読者へのメッセージ p14
- つまりニーズに合わせた調整 p15
- 葛西薫氏インタビュー p19
- 葛西さんにとってデザインとはどのようなものでしょうか? p19
- 実際の制作においてのデザインとは? p19
- クライアントへのヒアリングはどのようにしていますか? p19
- 実際のデザインはどのような手順でしていますか? p21
- 良いデザインとは? p21
- 「古くならないもの」を作る p24
- デザイナーを目指す人へのアドバイス・伝えたいこと p24
- Column | デザインとは何か p26
- 01 伝わるデザインにするために情報整理とレイアウト p28
- デザインの5W1H p28
- 引き算でデザインを考える p28
- 意図、必然性が求められる p28
- 人間の視線やツールの種類を考える p29
- 有機的なラインで生み出す余白 p32
- 03 デザインを強調する美しいビジュアル ぼかし・透過 p35
- 10 知覚的なイリュージョン デペイズマン p64
- POINT p64
- 17 リズムや動きを表現する タイリング p97
- Column | ルールを飛び越える想像力とグローバルクオリティー p99
- p111
- Column | デザインの対象を知る p120
- 01 色を知って味方につける 色の扱い方 p122
- 色相環 p122
- 色の三属性 p122
- 色相 p122
- 明度 p122
- 彩度 p122
- 色の三原色 p122
- 色相環と色の関係 p123
- 色料の三原色 p123
- 光の三原色 p123
- p138
- p149
- Column | ユニバーサルカラー/ユニバーサルデザイン p154
- 01 写真もデザイン 写真の扱い方 p180
- 写真はデザイン p180
- 写真の構図・方向性 p180
- 写真の人物の視線やポーズ p180
- デザインに合わせて写真を加工する p181
- p201
- p229
- Column | ジェンダー・ニュートラル・デザイン p251
- 文字でありイラストでもあるタイポグラフィ p271
メモ
村上雅士氏インタビュー p11
「普通」から「半歩」外に出るデザイン
キリンレモンのリブランディングやアニメ『チェンソーマン』のプロダクトデザインなど、今、脚光を浴びるアートディレクター村上雅士氏に聞く、デザインの作り方。
村上さんにとってデザイン、デザイナーとはどのようなものでしょうか? p11
デザイナーは、自分のクリエイティビティを用いて社会と密接に関われる職業だと考えています。
美術学校時代にはアーティストになる友人も多かったのですが、アーティストと比べると、デザイナーはより社会と密接な関係があると思います。
アーティストは作品に対する答えが自分の中にあるのに対し、デザイナーは社会という自分の外に答えがある。
そこが楽しいところです。
デザインは社会からのリアクションもわかりやすいですし、問題を解決することもできます。
デザインのそういうところに面白みを感じ、デザイナーを志して今に至ります。
普段制作物を作るにあたって心がけていることは? p11
クライアントは私を選んで仕事を依頼してくださっているのですから、クライアントが目指しているものに応えるのは当然のこととして、その先に自分にしかできない表現ができているか、成果物が自分にしか出せない答えになっているかを大事にしています。
村上さんにとって「良いデザイン」とは? p12
機能と新しさが両立したデザインが、良いデザインだと思います。
デザインに新しさがあるかどうかは重要なファクターだと思いますが、完全に新しいものになりすぎても受け手に理解されなくなってしまいます。
ですので、新しさがあり、かつきちんと機能するデザインにするために「普通こういうものならこういうふうに作るよね」というセオリーのようなものから「半歩」くらい外に出ることを心がけています。
例えばレイアウトなら、まずセオリーどおりに普通に組んだらどうなるかを試してみます。
その上でそれが普通に見える理由はなんだろうと考える。
そして、情報を伝える上で必ず必要なもの、削ぎ落としても問題のないものなど、デザイン上にある要素がそれぞれどんな性質のものなのかがわかってきたら、「必要なものをキープしつつ、この要素をこうすれば新しい見え方になるんじゃないか」と考えながらデザインしていく。
そういったことをいつも意識しながら制作しています。
クライアントへのヒアリングはどのようにしていますか? p12
見た人にどういう気持ちになってもらいたいか、どう思われるものにしたいかなど、抽象的なことや感覚的なことを聞くようにしています。
デザイン自体の形や色など、具体的なことを聞きすぎてしまうと、クライアントの中で変にイメージが出来上がってしまい、それにとられてしまうことがあるためです。
ミーティングは比較的短く、30分程度で終わることが多いです。
感覚的な言葉から具体的な表現に持っていくにはどうするか? p12
例えば「人に例えたらどんな感じですか?」などといった質問を通して自分の中のイメージを固め、照準を定めていきます。
どういう人格か?
優しいのか?
男性的な声なのか?
など、具体的なところからは遠い話をして、そこから自分のイメージを、自分のフィルターを通してアウトプットしていくようにします。
もちろんラフも描きます。
実際にクライアントに提案するイメージは2,3種類ですが、そこに至るまではたくさんラフを描き、イメージを具現化していきます。
ちなみにラフはほとんどiPadで描いています。
デザインを作る際の手順 p12
ヒアリングをしたら次はまず、市場を徹底的に調べます。
商品のパッケージや広告であれば、ほかにどんな商品が出ているのかをはじめ、その商品に関することについて、とにかくたくさん資料を集めます。
ビジュアル的な参考資料ではなく、ブランドの背景やその商品が生まれた年のこと、地方の案件であればその土地の歴史名産物(関係ないものでも)、地元の人々に好まれているものなどを調べ上げます。
できるだけ現地にも足を運ぶようにしています。
そうして集めた資料を見ながら、インスピレーションの源を探していきます。
資料を見ていく中で記憶に残ったポイントがいくつかあって、それらをデザインに落とし込んだらどうなるのかをラフとして描き、ある程度ラフが揃った段階でパソコンに移して、一度形にしてみます。
さらにそこでデザインとしてうまくいくものといかないものなどが出てくるので、またリサーチに戻って…と、工程を行ったり来たりします。
いきなりパソコン上で作業をするということはまずありません。
パソコンを使うと、書体の完成度などが高いということもあり、なんとなく形になってしまう。
アイデアや芯がなくても見た目としてそれっぽいものが簡単にできてしまうのです。
デザインの強度がなくてもいい感じに見えるものができてしまうのが怖いので、自分が納得するまでラフを描くようにしています。
デザインの強度とは? p14
例えば書体ひとつをとっても、デザイン対象やテーマに合ったものでないといけないのですが、それが全く関係のないものになっていることが多々あります。
書体だけではなく、色や形など、すべてが必然的に決められているのが理想です。
デザインの強度とは、そうしたデザインの理由が通っているということです。
感覚的には「しっくりくる」ということになります。
読者へのメッセージ p14
今はAIの成長が目覚ましく、自動生成でいろいろなものを作ることができます。
グラフィックデザインにおいても、ロゴなどがAIによって簡単に作れてしまう時代がもうそこまで来ていると思います。
しかし、見た人がどのような感情を持つかを考えるなどといった「機能の先にある部分」はやはり人間にしかできない領域だと思いますし、そういうものはなくならないと思います。
何に魅力を感じるかという、機能を超えた人間にしかない感情や感覚。
グラフィックデザイン、アートディレクションをしていく上で、その部分をすごく大切にして欲しいと思います。
つまりニーズに合わせた調整 p15
リニューアル当初は「KIRIN LEMON」と英字メインのデザインでしたが(左)、売上が拡大するにつれ、主力商品としてより老若男女に受け入れられるものにしたいということになり、デザインの方向性は変えずに「キリンレモン」とカタカナをメインにしたものへと調整をしました(右)。
そして2023年3月に、さらにリニューアルをしました。
2018年のラベルリニューアルにあたっての制作期間は9~10ヵ月ほど。
実際のデザイン作業(リサーチから入稿まで)は3~4ヵ月で行いました。
葛西薫氏インタビュー p19
デザインとは「潤い」
サントリーウーロン茶やとらやなどのクリエイティブ・ディレクターを務め、
人々の記憶に残る作品を多く生み出してきた葛西薫氏に聞く、デザインのこと。
葛西さんにとってデザインとはどのようなものでしょうか? p19
一言では表すのは難しいですが、長年デザイナーをやってきた結果として、デザインが目指すこと、できることは「潤い」という言葉で表現できるかなと思います。
生活のいろいろな場面にある、「何かを便利にするためにはこうした方がいい」「人に何かを伝えるときにはこういう順序で話した方がいい」「このタイミングでこ実際の制作においてのデザインとは?れを出した方がいいだろう」といった気配り。
そこにあることで、生活が気持ち良いものになるといったことなど。
ありとあらゆる物事にそうした配慮が行き届けば、それがデザインになるのではないでしょうか。
ですので、「潤い」とは一種の配慮と言えるかもしれません。
デザインとはそういうものだと思います。
イタリアのプロダクトデザイナー、エットレ・ソットサス(1917-2007)は、「デザインとは、恋人に花を贈るようなものだ」と言ったそうです。
好きな人に花を贈るとしたら、どんな花を贈ろうか、どんなふうに包もうか、いつ渡そうか、そこにどんな言葉を添えようか、などいろいろ考える。
それがデザインであるということなのですが、これはすごくわかりやすいなと思いました。
自分の勝手ではなく相手を思うこと、あるいは誰かから誰かになにかを伝える際に、パイプ役としてデザイナーを介することで過不足なく伝えたい、できれば良い形で伝えたい、という思いを叶えるのがデザインだと思います。
実際の制作においてのデザインとは? p19
技術職だと思います。
感覚の仕事ではない。
「格好いい」「なんだか洒落ている」「今風」「古臭い」といった抽象的な感想はあとから生まれてくるものであって、それ以前に技術として、例えばタイポグラフィであれば、少なくともその文字がきちんと視認できて、把握しやすく、読みやすいかなどといったところまで注意することができないと、デザインではないと思います。
クライアントへのヒアリングはどのようにしていますか? p19
よく話す人であれば、その人の話の中で僕が感じる言葉のニュアンスから「つまり一番の願いはこういうことですね?」というふうに聞いてみます。
「いや、そうではなくて」となっても、それはそれで本当のことがわかってきます。
そうやって相手の話をよく聞いて、なにが一番のポイントなのかを探っていきます。
言葉が少ない人や、あまりにも漠然とお願いされる場合などは、世間話などを通して「あそこのあれは好きだ」「あれはあまり好きじゃない」といった相手の話を引き出して好みを探ったり、「これとこれ、どちらが目指すものに近いですか」と尋ねたりするなど、相手のやろうとしていることをなんとか引き出すために、いろいろと例を出すこともあります。
実際のデザインはどのような手順でしていますか? p21
仕事には締め切りがあるので、いつもそのことが頭にあります。
ロゴタイプひとつにしても、依頼されると「ああ、締め切りまであと2週間だなあ」といったふうに。
そんなふうに締め切りを意識しながら、ぼんやりと頭の中で「こういう感じかなあ」と思っているだけの期間が最初にあります。
それから、少しでも時間があると紙の上に描いてみます。
ただ、一旦紙の上に筆を下ろすとそこに縛られてしまうことが多いので、紙に描く前に頭の中でどのくらいのことを想像できているか、ということが大切かもしれません。
紙の上に描く頃にはもう「思う」から「考える」に至っています。
つまり、紙に描き出したときは「こっちかな、いやあっちかな」と少し具体的に考えるようになってきているのです。
その次に着手。
実際に手を動かしてもっと具体的に制作していきます。
このように、デザインには3段階あるのではないかと思います。
また、こうしたプロセスの中で、時間を置いて見てみるといったことも、要所要所で行っています。
一度そのデザインから離れて、ほかの案件をやっているうちに3日くらい経ち、そこでまた見てみると「あ、これはダメだ」とか「やっぱりいいな」といったことがわかるのです。
また、フィニッシュが近いときには集中して作業をしますが、基本的に、ひとつのものだけを延々と何日もかけてやるということはなく、複数案件を同時進行でやっています。
そんなふうに常にいろいろな案件についてあれこれと考えているので、頭の中はいつもぐちゃぐちゃでなかなか眠れないです(笑)。
その思考の整理が大変で、「今考えていること」や、やることリストをメモに書いて、いつも次にすべきことを確認しながら進めています。
良いデザインとは? p21
相手に余計な負担を与えないものです。
負担とは「なにか違うぞ」という感覚。
デザイン過剰で、情報の詰め込み過ぎは、見ていて負担になります。
結果的に、見る人を置き去りにします。
表現は少し舌足らずぐらいが良いと思います。
見る人の感性を信じることで、伝えたいことが伝わる。
そこういう喜びをもたらすのが良いデザインだと思います。
「古くならないもの」を作る p24
「古いねぇ」と言われるのはすごく嫌です。
「いつも新しい」のが一番なのですが、「新しい」とは何かを考えてみてもわからないし、いつも新しくあるというのはとても難しい。
それならば「いつまでも古くならないもの」を作ろう、と考えてデザインをしています。
それは「無難」ということになるのかもしれませんが、無難だけれどもすごく長持ちするのです。
だから長持ちするものを作りたい。
極端に言うと、自分が10年経って見ても「ああ、悪くないな」と感じるもの、そういう、ずっとそばにいてほしいものを作りたいです。
スタンダードやオーソドックスといったものにはスタイルがあると思うのです。
奇抜さはないけれど、安心するスタイル。
その安心感も「潤い」で、そういうものがいいなあと思うので、僕の作ったものや関わったものを今の若者が見たときに、古臭いと思うのではなく、「ああ、なんかこういうのも悪くないな」と思ってほしいです。
デザイナーを目指す人へのアドバイス・伝えたいこと p24
デザインはデザインばかりやっていないほうがいいものが作れると思います。
学生たちになにか一言、と言われて必ず言うのは「世界を見ろ、一人旅に出ろ」です。
世界で何が起きているのかを見聞きして知ることで、自分の興味を見つけることができるかもしれないし、いいことも悪いことを知ることもできる。
そして、一人旅をすること。
できればスマートフォンなども持たないで、全身でものごとを味わってほしい。
肉眼で見ること。
そうやって経験値や世界を広げることは、必ずデザインに関係してくるはずです。
また、デザインにできることは「潤い」だと言いましたが、もっと積極的な意味では、客観性を持ってデザインをしているという自負を持ってほしいと思います。
そしていち個人として、「こんな世の中であってほしい」というイメージがあると、自ずとデザインが決まっていくと思うのです。
「こういう日常であって欲しいなあ」「こういうものが世の中にたくさんあって欲しいなあ」ということをイメージする。
自分だけではなく、デザインに関わる人みんながそういうイメージを持つのが一番良いと思います。
Column | デザインとは何か p26
デザインとは何でしょうか。
『広辞苑』には、
①下絵。素描。図案。
②意匠計画。製品の材質・機能および美的造形性などの諸要素と、技術・生産・消費面からの各種の要求を検討・調整する総合的造形計画。
とあります。
デザイン「Design」の語源はラテン語の「Designare」という言葉と言われており、この言葉には「下地を描く」「計画を記号にあらわす」「設計する」という意味があります。
つまり、「見た目」を整えることだけではなく、「問題解決」や「設計」などを含めたすべてがデザインだと言えるでしょう。
また、この3つには必ず「人」や「社会」が関わってていることを忘れてはいけません。
相手が求めているもの、必要としているものを見出し、そのために機能するものを作り出すこと。
デザインするものの先にある人や社会に思いを巡らせることこそが、デザインをする上で最も重要なことではないでしょうか。
ここで、デザイナーや著名人の「デザイン」についての引用をご紹介します。
あなた自身のデザインの定義について、ぜひ考えてみてください。
“デザインには形や色ばかりではなく、そこに社会と連動しながらおのずとにじみ出てくるものがある。
――田中一光”
“思考の総量だけが、デザインの質を決める。
――原研哉”
“Design is not just what it looks like and feels like. Design is how it works.
デザインとは単にどのように見えるか、どのように感じるかということではない。デザインとはどう機能するかだ。
――Steven Paul Jobs(スティーブ・ジョブス)”
“Design is a solution to a problem. Art is a question to a problem.
デザインは問題への解決策であり、アートは、問題への問いかけである。
――John Maeda(ジョン・マエダ/グラフィックデザイナー)”
“Design is all about learning from doing, that's how we evolve to the best solution.
デザインとは、行動から学ぶことに尽きる。そうやって最高の解決策を導き出していくのです。
――Tim Brown(ティム・ブラウン/IDEO CEO)”
01 伝わるデザインにするために情報整理とレイアウト p28
デザインでまずしなければならないのがヒアリングとリサーチ、そして情報整理です。
デザイン対象やターゲット、クライアントから得る情報などを整理し、デザインの目的が明確になると、自ずと方向性やレイアウトなどの手法が決まります。
レイアウトとはただ美しく整えるだけではなく、必要な情報を伝えるために目的を持って行うものなのです。
デザインの5W1H p28
「デザインの5W1H」とは「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが、だれに)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」伝えたいのか、と情報を分類、整理する手法です。
クライアントへヒアリングを行ったら、まず「デザインの5W1H」に沿って情報を整理しましょう。
それによってなにを最優先に伝えるべきかを考えることができます。
迷いがあるときには、情報がきちんと整理されているか、伝えることに優先順位を付けられているかを再確認してみましょう。
デザインは、情報が整理されて目的が明確になることによって、その方向性と手法が決まっていきます。
引き算でデザインを考える p28
情報を整理して優先順位を付けても、いざ制作に入るとあれもこれもと要素を足したくなってしまうかもしれません。
そんなときは、人は一度に大量の情報を受け止めることはできないということを思い出しましょう。
情報を詰め込みすぎしまうと、一番伝えたいことがぼやけてしまうのです。
デザイナーはクライアントが一番伝えたい情報が何なのかを理解し、ターゲットが受け止められる量に調整しなければなりません。
情報は足し算ではなく、引き算で考えるよう常に意識しましょう。
意図、必然性が求められる p28
情報整理によって導き出されたコンセプト、優先すべき情報、強調すべきポイントをビジュアルとして表現していく最初の段階が「レイアウト」です。
レイアウトとは、「何を(写真・キャッチコピー・図版など)、どこに(紙面やWeb上の位置・範囲やエリアなど)、どのように配置するか(大小や強弱、集散など)」ということです。
これらを調整することで、デザインの大枠やベースを決めていきます。
単に「美しく並んでいる」のが良いレイアウトとは言えません。
レイアウトには、情報整理に基づいて「強調する情報はこれなので、この位置に、このサイズで配置する」といった意図や必然性がなければいけないのです。
デザイナーは情報を効果的に表現するために最適なレイアウトを選びます。
伝えたい情報の内容によっては複数のレイアウトパターンを組み合わせることもあるでしょう。
同じ素材を使ってもレイアウトによって伝わる情報は全く異なることを覚えておきましょう。
人間の視線やツールの種類を考える p29
レイアウトで気をつけなければいけないことのひとつに、「視線」があります。
人間には習性として、見たり、読んだりする際の目の動き(順序)に規則性があり、それに即して要素を配置することでより可読性が向上します。
人間の行動心理に基づくこの法則は、レイアウトを考える上で指針になります。
デザイナーはレイアウトによって見る人の視線をコントロールすることができます。
矢印や数字などを使って読ませたい順序へ誘導することができますし、要素を目立たせることによって、真っ先にそこに目が行くように仕向けることもできます。
また、メディアやツールの特性に配慮してレイアウトすることも重要です。
ひと目で惹きつけられることが大切なポスターや広告などには余白のレイアウトを(P.030)、インパクトが重要なツールには日の丸構図や対比を用いたレイアウトを(P.046, 054)、選びやすさが重要な商品カタログはグリッドレイアウト(P.072)を、索引などには反復のレイアウト(P.088)をといった具合です。
このようにデザイナーは、あらゆる要素を検討し、相手に伝えるための最適なレイアウトを模索して形にしていきます。
効果的に情報を伝え、受け手にアクションを促すというデザインの目的において、レイアウトは情報伝達と見た目の美しさのベースを作る大切な骨組みなのです。
有機的なラインで生み出す余白 p32
朗読劇の公演パンフレット。
紙と紙の間に絵の具をたらし、圧力をかけて転写することで、偶然の形や色味を生み出す芸術技法(デカルコマニーと言う)を使って表現しています。
タイポグラフィも有機的な波型の余白に沿って配置することで一体感のあるビジュアルとなっています。
03 デザインを強調する美しいビジュアル ぼかし・透過 p35
デザインにおいて「ぼかし」は、意図的に対象物を浮かび上がらせて強調させたり、動きを表現したり、重ねた文字を読みやすくしたりするなど、さまざまな機能的効果を施すことができます。
また、同時に、より美しく印象的なビジュアルを演出することができます。
ぼかしはイメージを全体的にぼかすものや部分的にぼかすもの、さらに強めのものや弱めのものなどによって、与える印象や見え方が変わります。
また、ぼかしのエフェクトには写真だけではなく、イラストなどのイメージや文字を透過させるような表現方法もあります。
手法も表現方法もさまざまですので、デザイン対象の目的に合わせて最適な方法を選ぶことが大切です。
この作品のぼかしは絵の具のような力を持ち、まるで印象派の絵画を思わせ、見る側の想像力を掻き立てます。
10 知覚的なイリュージョン デペイズマン p64
「デペイズマン」はもともとはシュルレアリスムの技法で、デザインで言うと「意外な組み合わせをすることで、見る人を驚かせる」ことに焦点を置いた技法と言えるでしょう。
大きさや場所、材質、人体、時間、言葉など、さまざまな要素に取り入れることができます。
印象的に見せるポイントは、小さいものを大きくする、大きいものを小さくする。
あるはずのない場所に要素を配置する、あるべき場所に要素が存在しない。
要素の姿形は変えずに材質だけを異なったものに変える。
などといったテクニックです。
POINT p64
デペイズマンの組み合わせは斬新なイメージや違和感を与え、見る人の注意を引くことができます。
重要なのは、「このくらい」と意識している枠を意図的に超えることです。
普通ではありえないサイズや組み合わせをすることで、オリジナリティあふれる世界観やインパクトを出すことができます。
17 リズムや動きを表現する タイリング p97
タイルを並べるように要素を配置する手法を「タイリング」と言います。
配置の仕方によって安定感を出したり、あえてリズムを崩して変化をつけたりすることができ、表現したい要素を強調することができる手法です。
タイリングの中でも基本的なのが、グリッドに合わせて要素を整然と並べる形です。
規則的に要素を配置しつつ、強調させたい部分はサイズや色、形などで変化をつけると、目を引くアクセントにすることができます。
タイリングは並べ方や並べる要素の密度によってリズムや流れを効果的に表現できるので、動きのある写真や連続性のある写真などを使ってレイアウトする場合に適しています。
Column | ルールを飛び越える想像力とグローバルクオリティー p99
プロダクトデザインはその商品のイメージを決める重要な要素のひとつです。
ドット・マークジェイコブスのグローバル商品、「DOT MARC JACOBS」の香水ボトル、アイコン、パッケージデザインは、「(既に使用した)花のモチーフは使用しない」「見た事がない香水」というリクエストのみで、テーマは自由、ドットという香水の名前も何も決まっていないところからのスタートでした。
綺麗に作る、美しくするといったことにはあえてとらわれず、自由に考えることで生まれたのが、「てんとう虫+蝶々」というコンセプトです。
赤と黒の目を引くドットに大きな羽のついたてんとう虫のボトルは、自由でのびのびとした想像力を感じる魅力的なデザインです。
「独自でユニークな世界」「本当の意味での幸せ」というマーク・ジェイコブスのモットーと、「若々しい」「シリアスすぎない」「ノスタルジックでユーモアがあって楽しい」「カラフル」「品質が高い」といったブランドのコンセプトを見事に体現しています。
かわいらしさの中に洗練されたスタイリッシュさや上品さのあるボトルデザインは、インテリアとしても華やかな存在感をもたらします。
2012年の発売から人気を博し、そのアート性が高く評価されたこの作品はフランス『VOGUE』や米国『WWD』をはじめ多くのメディアで取り上げられ、世界三大デザイン賞のひとつと呼ばれるiFデザイン賞のほか、米国、英国、ドイツのFiFi Awards(フラグランス協会)、Pentawardsなど、海外のデザイン賞を多数受賞しています。
p111
※VI設計…企業やブランドのロゴや商標、カラースキーム、フォント、デザインなど、視覚的に表現される要素全般といったビジュアルアイデンティティ(Visual Identity/VI)を、一貫性のあるものにまとめること。
Column | デザインの対象を知る p120
デザインにおいて、対象を知ることは不可欠です。
『誰が』『何を』『誰に』届けたいのか
この3つの要素のうちどれかひとつでも欠けると、相手に届くデザインにはなりません。
クライアントのことを知り、デザインするもののことを知り、伝える対象のことを知ることで、デザインは初めてクライアントとターゲットをつなぐ架け橋として機能することができます。
それでは対象を知るためにはどうすればよいのでしょうか。
クライアントを知るためには、
①職種、業界の動向、業界内のクライアントの位置付け、競合など
②組織やその構造、理念や目標、課題、強みや弱み
③価値観や判断軸、テーマ、置かれた立場や周囲との関係性、文化
などの情報をヒアリングやリサーチを通して知り、体系的にまとめる必要があります。
大変な作業ではありますが、深く知るほどクライアントニーズをより理解でき、相手の立場にたった提案ができるようになります。
これが付加価値となり、信頼獲得へと繋がっていくのです。
次にデザインするものを知っていく必要があります。
デザインするものを知るには、
①背景や歴史
②特徴やアピールポイント
③競合するもの
などをリサーチしましょう。
対象となるものだけではなく、周辺の環境や関連するものなど、できるだけ幅広いリサーチを心がけましょう。
また、リサーチではWebで情報を集めるだけではなく、そのものがある場に足を運ぶなどして、実際に手に取り、自分の目で見るということも大切です。
最後にデザインを届ける対象、デザインするもののターゲットを知るには、
①年齢、性別、職業など、基本となる要素
②ライフスタイル、価値観、趣味などの心理的要素
③使用機会、使用頻度、使用期間など、行動的要素
をリサーチします。
ターゲットの生活や求めるもの、どんな経験をして何を感じているかを知り、理解していくことはとても大切です。
また、ターゲットの心を動かすものは何かを考え、オンライン・オフライン問わず、ターゲットが触れている情報をターゲットの目線で集めていきます。
ターゲットを知ることは、デザインするものをどう思ってもらいたいか、どのように伝えるかを考える際にとても重要になります。
01 色を知って味方につける 色の扱い方 p122
色は雰囲気や感じ方に大きく影響します。
複雑な意味合いを持つ「色」を用いて魅力的なデザインをするためには、色の基本原則を理解しておくことが重要です。
色相環 p122
私たち人は、光の波長の違いによって、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫というように色を知覚しています。
この色を連続的に円環状に配列したものを色相環と言い、色を体系化する際に用いる方法のひとつです。
色の三属性 p122
色の三属性とは、「色相」「明度」「彩度」という色が持つ3つの性質のことです。
人の目は物体が反射・吸収する光や、物体を透過する光を色として知覚していますが、その見え方には色相・明度・彩度の違いがあります。
これら3つはそれぞれ関連しあっているため、ひとつの属性のみで特定の色を表現することはできません。
色相 p122
色相とは、赤・黄・緑・青のように、色を特徴づける色みのことです。
色みは、光の波長の長い順に赤、橙、黄、緑、青、藍、紫と連続的に変化します。
赤、緑、青のように色みがあることを有彩色。
白、グレー、黒のように色みがないことを無彩色といいます。
なお、無彩色には色相はありません。
明度 p122
明度は色の明るさの度合いを表します。
明度が高いと白に近づいて明るくなり、明度が低いと黒に近づいて暗くなります。
なお、視認性や可読性を最も高められるのは明度の差になります。
より際立つような色にしたいならば、色相や彩度よりも明度の差を考えるとよいでしょう。
彩度 p122
彩度は色の鮮やかさを表します。
色の彩度が高いほど鮮やかに、低いほど無彩色で落ち着いた印象になります。
また、各色相で最も鮮やかな色を「純色」といいます。
色の三原色 p122
色の三原色には「色料の三原色」と「光色料の三原色」があります。
色料の三原色を利用したCMYKはCMYにK(Black)を合わせています。
主にインクとして印刷に使われる方式です。
対して、光の三原色を利用したRGBはディスプレイなどに使われている方式です。(右ページ下参照)
色相環と色の関係 p123
赤から黄色の範囲を暖色、青から水色の範囲を寒色、黄緑から青緑、ピンクと紫の範囲を中性色と言う。
また、類似色は色相の隣り合った色同士を、補色は色相環の正反対の位置にある色の組み合わせを、対照色は色相環の120~150度の位置にある色のことを言います。
色料の三原色 p123
Cyan(シアン)、Magenta(マゼンタ)、Yellow(イエロー)の3色。
混ぜれば混ぜるほど暗くなっていく「減法混色」です。
印刷ではKey Plate(K)を用いて黒を引き締めています。
光の三原色 p123
Red(赤)Green(緑)Blue(青)の3色。
混ぜれば混ぜるほど明るくなっていく「加法混色」です。
すべての色が重なるとWhite(白)になります。
p138
※CI…コーポレートアイデンティティ(Corporate Identity)の略。
企業の価値を高め、より良い会社を作ろうとする企業戦略のことを指します。
p149
※ノセ…平網やベタ状態など地色がある部分や写真の上に、文字、飾り罫、線画やロゴなどをそのままインク同士を重ねて印刷すること。
下の色が混ざり反映される。
版ずれがおきても白い隙間は出ない。
「オーバープリント」とも言う。
※ヌキ…平網やベタ状態など地色がある部分や写真の上に、文字、飾り罫線画やロゴなどが重なる部分だけをカットした状態でインクが重ならない状態で印刷すること。
色が混ざらず、意図したとおりの色を表現できる。
「抜き合わせ」「ノックアウト」とも言う。
Column | ユニバーサルカラー/ユニバーサルデザイン p154
「ユニバーサル」とは、「普遍的な、全体の」「すべてに共通の」という意味です。
「ユニバーサルデザイン」とは年齢、性別、国籍、文化、身体の状況など、人が持つさまざまな個性や違いにかかわらず、できるだけ多くの人にわかりやすく、利用しやすく暮らしやすい社会となるよう、街や建物をはじめ、ものや仕組み、サービスなどを提供していくという考え方のことを言います。
「あらゆる人に利用しやすいデザイン」という視点を軸にしたユニバーサルデザインは、以下の7つの原則から構成されています。
①誰にでも使えること。(Equitable Use)
②使う上で柔軟性があること。(Flexibility in Use)
③使い方が簡単で、直感的にわかること。(Simple and Intuitive Use)
④必要な情報がすぐにわかること。(Perceptible Information)
⑤簡単なミスが危険に繋がらないこと。(Tolerance for Error)
⑥身体的な負担が少ないこと。(Low Physical Effort)
⑦アクセス利用しやすい十分なスペースが確保されていること。(Sizeand Space for Approach and Use)
ユニバーサルデザインはもともと、公共の設備やプロダクトデザインを中心とした考え方でした。
しかし現代ではメディアが発達し、スマートフォンなど誰もが自分専用のメディアを通して情報を得る時代になってきています。
グラフィックデザインやWebデザインの分野でもユニバーサルデザインを意識する必要が出てきました。
情報におけるユニバーサルデザインとは、すべての人にわかりやすく、できるだけ正確に情報を伝えることで、公共施設などさまざまな場所で使われているピクトグラム(絵文字)や、スマートフォンなどに表示される画面のボタンのサイズ※などがその一例です。
また、多様な色覚に配慮して、色使いや情報の見え方を利用者の視点に立ってデザインする「カラーユニバーサルデザイン」も、ユニバーサルデザインには欠かせません。
色は誰にでも同じように見えているわけではなく、ある人にとって区別しやすい配色が、別の人には区別しにくいことがあります。
デザイナーはすべての人にできるだけ正確な情報を伝えるために、組み合わせる色の色相に配慮する、色のコントラストをつける、色の面積を広くするなど、さまざまな方法で、見やすくわかりやすい情報提供を心がける必要があります。
※Apple社にはiPhoneの中で使用するアプリのボタンを44pt以上にするという規定がある。
01 写真もデザイン 写真の扱い方 p180
どのような媒体でも存在感を発揮し、印象を大きく左右する写真は、デザインにおける重要なモチーフのひとつです。
写真はデザイン p180
高品質の写真を使うだけでもデザインの印象はずっと良くなります。
写真は撮影者にによって被写体が最も魅力的かつバランスよく見える構図や角度になるように調整されたうえで撮影されています。
写真そのものが「デザイン」として完成しているのです。
写真をデザインに組み込むということは、撮影して切り取った画面、つまりすでにデザインされたものを別のデザインと組み合わせることだと言えます。
デザインの中で写真を効果的に扱うために、少なくとも「写真の構図・方向性」「写真の人物の視線やポーズ」「デザインに合わせて写真を加工する」、この3つを意識してみるとよいでしょう。
写真の構図・方向性 p180
写真は構図やバランスがあります。
撮影されているモチーフや人物、建物などの構図が、デザインに組み込んだときに違和感がないように配置しましょう。
写真の中でどこが「最も見せたい要素」として扱われているのかを確認、写真の意図に沿って配置を考えることも大切です。
また、写真の中のモチーフや建物などの並びにラインや方向性がある場合、見る人はこの方向性に自然と目を奪われてしまいます。
写真をデザインに組み込む場合は、こうした方向性・流れに注意して文字やそのほかの要素などを配置するとよいでしょう。
写真の人物の視線やポーズ p180
人物の写真で最も特徴的なのは「表情や視線」があることです。
写っている人物の表情やポーズで、意図や伝えたいことを明確に表現することができます。
また、柔軟な動きや視線誘導など、複数の効果を演出することもできます。
デザインで人物の写真を使用する際にもやはり、構図やバランスをしっかりと考えましょう。
例えば左を向いた人物の写真がデザインに使われている場合、見る人の視線は無意識のうちに被写体が見ている先にあるもの、つまり写真の左側にある要素や文字へと誘導されます。
人は目の動きに敏感ですので、人物の視線の先に見せたい要素を配置することで、その要素が自然と目に留まりやすくなります。
また、正面を見ている人物は、信頼性や固い意志・強い主張などの印象を与えることもできます。
そのほか、「赤ん坊」や「女性」の写真は男性や老人などの写真よりも目に留まりやすいという統計もあります。
デザインに合わせて写真を加工する p181
撮った写真や提供された写真がそのままデザインに使えることはあまりありません。
ほとんどの場合、配置するスペースや、デザイン全体のカラーバランスに合わせて、写真全体のコントラストやトーンの調整、配置するスペースに合わせたトリミング、背景のぼかし、ゴミ取り、背景の切り取りなどの加工や補正が必要になります。
p201
※サバンナ効果…手前よりも奥を明るくすることで、安心感や好奇心を感じて奥に進むという心理的効果。
人は暗い所から明るい所へ引き寄せられ、明るい所から暗い所には入りにくいという習性をもつ。
これを利用している。
p229
※図と地…人はものを見るときに無意識のうちにまとまりを持ったものとして知覚する傾向があり、視野に2つの対象が存在するとき、ひとつは形(図)として目に映り、もう一方はその背景(地)を形成しているようにとらえるという知覚現象。
Column | ジェンダー・ニュートラル・デザイン p251
近年、立場や国籍、性別などあらゆる多様性を尊重し合う環境を作ることが求められています。
こうした流れの中で、「ジェンダー・ニュートラル」という考え方があります。
性差にとらわれない中立的な考え方で、性差の偏りをなくして誰もが自分らしく生きることを目指す考え方です。
「ジェンダー・ニュートラル」は昨今、デザインにおいても重視されるようになってきています。
中性色や控えめなトーンの色などを中心とするジェンダー・ニュートラルな色使いや、女性らしい、男性らしいといった特定の性別のイメージがない書体や図版などがデザインに取り入れられています。
下図のスキンケア&ライフスタイルブランド「athletia」のパッケージは、中性的な書体のロゴタイプや、緑や黄色といった中性色、おさえた色を使った配色など、性差を感じさせない、ジェンダー・ニュートラルなデザインになっています。
また、書体や配色、図版といったデザイン要素に加え、ジェンダーではなく商品やサービスの機能性を強調することも、ジェンダー・ニュートラルな表現につながります。
ジェンダー・ニュートラル・デザインは始まったばかりの分野です。
これから発展し、よりよくなる多くの変化を遂げていくでしょう。
文字でありイラストでもあるタイポグラフィ p271
イラストレーターのWebサイトのリニューアルを告知するポスター。
タイポグラフィはオリジナルで作成しています。
カウンタースペース※にイラストレーションを入れ、イラストなのか文字なのか不明瞭な感じを残しています。
※カウンタースペース…「a」、「e」、「o」など、形状によって文字そのものが持つ空間。
特に日本語にはカウンター・スペースが複雑に混在する文字が多い。