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「英語は10000時間でモノになる」を読んだ

投稿時刻2023年9月9日 17:34

英語は10000時間でモノになる」を 2,023 年 09 月 09 日に読んだ。

目次

メモ

p3

社会に出てから10回以上、そんな挫折を繰り返しました。
決意はいつだって本物でした。
毎回、挑戦は「3日坊主」というほど短くなく、「3ヶ月坊主」くらいの時間をかけていました。
参考書や英会話に少なからず投資もしました。

p8

机に座って参考書を広げ英語を「学ぶ」のはつらいです。
1日1時間でも長期継続は難しい。だから、私はやっていません。
日常生活で自然に英語を「使う」ことで上記の学習時間を確保することができました。

私の場合、英語で読書をしているのは平日で2~3時間。
おもに通勤時間と就寝前に読んでいます。
それ以外の時間は、生活を英語化しています。

・スマホとPCを英語モードにする 
・英語で検索する 
・ニュースを英語にする 
・映画は英語で見る
・外国人とつながって話す 
・ノートを英語でとる 
・英語で考え、独り言を言う 

日本語でなければならない活動以外を、極力英語でおこないます。
そうすると、数年で数千時間~10000時間は達成します。
英語の生活習慣化のノウハウも、本文でもっとくわしくお話ししましょう。

p30

英語ネイティブの 18 歳は、生まれてから 10 万時間以上、英語を使っている計算になります。
流暢であたりまえ。しかし、母国語と第二言語は違います。
私たち日本人の大人は、語学以外の知識と経験の積み上げがあるので、 10,000 時間使えば、合わせ技で納得の英語力が手に入ります。

10,000 時間は、長い時間に見えます。
足し算で 10,000 時間を達成しようとすると、1日1時間では27年かかります。1日9時間だと3年間です。
「そんなにかかるのか」と、ため息をつくかもしれません。
この本は、普通の社会人が3年間で10,000時間を達成することを目標として書いています。

10,000時間達成の極意は、"英語を勉強する時間"を足し上げるのをやめて、"日本語を使う時間"を引いていくことです。
英語を使うことを意識するというより、日本語を使うことをやめるのです。

睡眠を8時間とるとすると、1日は16時間です。
1日で160時間、100日で1,600時間というふうに計算していくと、625日で10,000時間になります。
日本語をまったく使わなければ、1年と8か月で達成する計算です。
実際には日本で仕事と生活をしていると100%英語化するのは不可能ですから、この数字にいかに近づけるかが課題になります。

先ほど、10,000時間"使う”こと、と書きました。"勉強する"のではありません。
英語は勉強するより、使ったほうが上達します。
机に座って文法の参考書を広げる必要はありませんし、がんばって単語を暗記しなくてもいいのです。
その代わりに、英語で本を読んだり、つぶやいたり、ドラマを見たり、ノートを取ったりするだけです。

英語の上達は、直線状ではなく、階段状です。
「耳栓が取れたように英語が聴こえるようになった」という英語教材の体験談をよく見ますが、あれは誇張ではなく本当です。
多くの学習者が体験しています。しかも、1回目の覚醒は、比較的早い段階で起こります。
覚醒体験の喜びをバネにして継続していくのが、英語学習の王道です。

ブレークスルーは「読む」「書く」「話す」能力にも起きます。
大量に本を読んでいると、突然言葉がすらすら出てくる瞬間があります。
文字が目に飛び込んでくるようにもなります。

p34

プロジェクト型のモチベーションと同時に、ライフタイム型のモチベーションを作るべきです。
英語を「一生使う第二言語」と決意して、仕事、生活、趣味の一部にするのです。
英語を話す人間関係も作る。人生でなくてはならない能力にしてしまうことです。

バイリンガル人生を歩む覚悟ができると、吸収がよくなります。
たとえば、英検1級の試験を見て「こんな難しい単語を覚えても一生使わない」とは思わなくなります。
長い人生、いつかどこかで出会う単語だと思うからです。

ちょっとした表現の違いにも敏感になります。
日本語でできる微妙な表現を、英語でできるようになりたいと思うからです。

ニュースを英語にする p36

私は、英語ニュース中心の生活にして約6年経ちました。
昔は狭い日本の些末なニュースにとらわれていたなと思います。
日本のニュースやバラエティ番組は、グローバル視点で見ると知っていても知らなくてもどうでもいい話でいっぱいです。
しかも、話が暗かったりする。

ニュースの英語化には、意外な副次効果がありました。
ニュースを読んで精神的に落ち込むことが少なくなったことです。
もちろん、英語圏のニュースも暗いものは多いです。
銃による大量殺人、戦争、人種差別、ヘイトクライムなど、もっと救いようのない話題があります。
しかし、日本のニュースよりも内容にバラエティがあり、登場人物も多いです。
少し距離を持って捉えることもできます。日本のニュースの閉塞感で鬱な気分になりがちの人は、ぜひ試してみてください。

p38

おすすめは、ニュースを英語で聴くことです。
ただし、いきなり現地のニュースを聴くのはハードルが高いので、日本経済新聞社が運営するLissNを使うのがおすすめです。
毎日数本の日経のニュースを英語学習者用に書き直した記事が、文章と音声で提供されます。対訳もあります。

LissN で半年程度、ニュースを聴くことに慣れたら、
次の段階として、 Voice of America (voanews.com) や、カナダのGlobal News (globalnews.ca) のような、英語が母国語ではない人のための英語ニュースがあります。
ニュースの選択が日経新聞とはまったく違ったものになります。

「学習者用のサイトはかったるい」という人は、この段階を飛ばしてください。
私も、この段階を背伸びして飛ばしてしまいました。
一足飛びに、ニューヨークタイムズなどの本格的な英語のニュース、ポッドキャストに切り替えましょう。

英語で考える、独り言を言う p42

これは、英語学習をしていればだれもが考えることだと思いますが、できそうでできない、難しいことです。
コツは、英語でニュースを読んだり、ノートを取る習慣と連動させることです。
英語でゼロから考えるのは難しいですが、思考の材料が英語だと始めやすくなります。

英語の独り言思考で私がよくやるのが、トップ3の説明です。
まず、順位をつけたい物事を3つ用意します。
The first place is A, the second place is B, the third place is C と、まず言ってみます。

次に、1位につける形容詞を用意します。
たとえば、 A is the most interesting ◯◯ と文章を作ります。ここまではかんたんにできると思います。

そして、2位と3位の差を説明します。
B is more interesting than B because ... のような比較級と理由の形です。
ここで何らかのロジックが必要になってきて、本格的に英語で考えるようになります。

文章が完成したら、文章をつなげて口に出してみましょう。立派なミニプレゼンになっているはずです。
順序と比較ができるようになったら、次は因果関係を考えてみましょう。因果関係を表す言葉は無数にあります。 
affect (影響する) 
cause (引き起こす) 
lead to (つながる) 
generate (起こす) 
result from (結果として起きる) 
など、基本的な動詞だけで数十種類あります。

因果関係を3つくらいつなげてみてください。
「風が吹けば桶屋が儲かる」のような文章が出来上がります。
深い意味がないものがほとんどでしょうが、稀にその中から絶妙なアイデアが生まれてくるかもしれません。
生まれてこなかったとしても、こうしてごにょごにょ考えていることが英語の上達につながります。

そして、類似事例です。
For example と言って、主題と似ている物事を列挙してリストを作ります。
リストがどういう点で類似しているのかも説明しましょう。
単語がわからないときは辞書を使ってもいいですし、面倒な時には日本語をそのままローマ字で代用しておいてもかまいません。
何度かローマ字で考えると、ものすごく辞書で調べたくなる時が来ます。
その段階が、一発で覚えられるチャンスなのです。

このように、順序と比較、因果関係、類似事例の3つを意識していると、英語で考えるとっかかりがかなりつかみやすくなります。
英語学習のためにでっちあげた思考ではなく、生活や仕事の本番で本当に必要な思考に適用することです。

支障がなければ、声に出しましょう。
マスクをしている時には、歩きながら小声でぶつぶつ言うのもおすすめです。
この習慣が定着すると、英語で夢を見るようになります。

いくら英会話をやってもうまくいかない p50

「英語を話せるようになりたい」という人が会話から入ろうとすると、つまずくことが多いです。
いきなり英会話学校やオンライン英会話に通っても英語はなかなか上達しません。
練習しないで実戦に出るようなものだからです。

インプット仮説という有名な学説があります。
言語学者のスティーヴン・クラッシェンが1970年代~1980年代にかけて提唱し、多くの英語の研究者と教師が支持する古典理論です。
クラッシェンは、書かれた言葉や話された言葉を読み、聴くことが言語能力の向上の(ほぼ)すべてだと言いました。
インプット仮説では、学習者が理解可能なレベル(i)より、ほんの少しだけ高いレベルのインプット(i+1)を大量に受けることが一番効果的だとしています。

「理解可能なインプット(i+1)を受け続ける環境を作る」

これができれば、英語は必ず上達します。
優しすぎる1や0ではだめですし、難しすぎる+2+3でもいけません。

インプット仮説は「インプットがほぼすべてだ」と言ったために、一部の学者や教員から批判もされてきました。
実際、感覚としてアウトプットが不要だとは思えません。
ただ、私の経験ですが、インプットとアウトプットの比率はインプット(読む、聴く)が9、アウトプットが1(書く、話す)くらいでいいと思います。
これなら国内でも十分に可能です。

「英会話が学習に役立たない」というわけではありません。むしろ絶対に必要な学習です。
音楽理論をいくら学んでも歌えないのと同じ、話さなければ話せるようにはなりません。でも、それほど多くなくていい。
英会話はその週に身につけた能力を試す実験の場として使うといいと思います。
1週間本を読んでから、その本について英会話で話題にしてみると、効果がわかる思います。
インプットとアウトプットは循環して完結します。

読書で自然な言葉の並びが感覚でわかるようになる p52

私が強調したいのは、読書が効率的な学習になることです。
一般の英語の本は、およそ10万語で構成されていると言われます。
それを能動的にインプットする体験が読書です。
短時間で大量の英語のパターンに触れるのに、最も効率的な方法です。

パターンから学ぶうえでは、「こういう表現がある」を学ぶと同時に、「こういう表現はない」を学ぶことも重要です。
「文法的にはOKでも、ネイティブはそういう表現はしない」という文章がいっぱいあります。

かんたんなところでは語順です。
白黒を white and black とは言いません。 black and white です。
犬猫は dogs and cats と言いません。 cats and dogs です。
父母も、日本語とは逆で mother and father が自然です。
どれもまちがいではないので通じますが、黒白、猫犬、母父と言われた時の小さな違和感をネイティブは感じるでしょう。

形容詞の順番もあります。
日本語では美しい赤い花でも赤い美しい花でもOKですが、 a beautiful red flower の一択です。
red beautiful flower は不自然です。

この語順の覚え方に、Opinion (意見) Shape(形状) Age (年齢)、 Color (色) Origin (起源)、 Material (素材)の頭文字を取って、OPSHACOMがあります。
学校ではこうしたロジックを教わったかもしれません。
しかし、実際に英語を話す時に、このロジックを思い出して、形容詞を並べ替えるのは、時間がかかってしまい、現実的ではありません。

ネイティブが話す時は、そんな文法知識を適用しているわけではないのです。
英語文化圏で、より本質的な性質と考えられる形容詞、名詞に近い位置に(つまり後に)出てくるという感覚があるだけです。
読書で大量のインプットを浴びると、そんな自然な言葉の並びが感覚でわかるようになります。

多読教材を使う p56

多読用の読み物ものぞいてみましょう。
多読とは、やさしい本からはじめてだんだんレベルを上げていくことで英語を身につける学習法です。

この方法の普及を推進しているNPO法人多言語多読 (https://tadoku.org/)によれば、次のルールがあります。
・わからない単語があっても辞書は引かない 
・わからない場所は飛ばす 
・面白くない本は飛ばす 

多読用の読み物を使うと、少し時間はかかるかもしれませんが、無理なく一般書の読書に必要な能力が身につきます。

p59

小説の読書は、感情の特別な体験です。
登場人物と喜怒哀楽を共にすることで、理解できる語彙が広がるだけでなく、自ら使える語彙が増えます。
心の底からしみじみと口に出せる表現が身につくのです。
無機的な暗記では得られない語彙の獲得方法です。

文法も自然に身につきます。
たとえば、過去完了形 (have + 過去分詞)や大過去(過去のさらに過去)という時制がよく出てきます。
大過去は日常会話では滅多に使われません。

しかし、小説にはよく使われます。
小説の時制は過去形で書かれるものと、現在形で書かれるものの2種類があります。
このうち、過去形で書かれた小説では基本の動詞が過去形です。
さらに過去のことを表現しようとすると、自然に大過去が頻出します。

そして、過去完了の仮定法も小説でしばしば目にします。
I should have done it のよう に「○○しておけばよかったのに(ため息)」という表現です。
この語法には、必ず喪失感、後悔、悲しみや怒りの感情を伴います。感情を動かすと、深く語彙が獲得できます。
難しいと考えられがちな仮定法用法も、自然に口をついて出てくるようになります。

p70

こういうときは、 Google で "Shuggie pronunciation" のように名前 + "pronunciation"を 検索すると、発音ビデオが見つかります。
近年の英語の文学はグローバル化が進み、欧米だけでなくアフリカやアジア由来の人名も多く出てくるようになりました。
文学好きの欧米人と文学の話をしていると、「ごめん、その名前は私も発音がわからないの」と告白されることがよくあります。
彼らも、同じようにGoogleで発音を調べているのです。

本名と愛称の対応も知りましょう。
たとえば、アメリカの元大統領のビル・クリントンの本名は、 William Jefferson Clinton です。
ウィリアムの愛称がビルです。

小説では、1回目はキャサリン何某だったのに、以降がキャスと呼ばれていたり、アンソニーがトニーになることがしばしば起きます。
子ども時代は愛称で、大人になると本名に変わることもあります。

p86

読書スピードがゆっくり過ぎると、本の全体像が逆にわからなくなることがあります。
1冊の本を1か月、2か月もかけて読んだら、前半の内容を忘れてしまって当たり前です。
本は一定のスピードで読まれることを想定しています。
カタツムリの速度の語学学習者を想定していません。
音楽を低速で聴くのと同じで、本の魅力が損なわれます。
特にノンフィクションでは、読書スピードを常に意識しながら読んでみてください。

私は、日常の読書では1時間おきに読めたページ数を確認しています。
後述する読書 SNS の Goodreads に読んだ本を登録することで、毎月や毎年何ページ読んだかも把握しています。
昔流行った記録式ダイエットと同じで、数字を意識するだけで効果があります。

p88

私は、日常の読書時間の90%で辞書を使いません。
わからない単語はそのままにしておきます。
意味は、文脈から推測できる場合があります。
ずばり「それが何か」わからなくても、「何でないか」はわかるはずです。
何度も何度も目にすると、やがてその単語の輪郭のようなものが見えてきます。
輪郭が見えた時が「覚え時」です。
辞書を引きましょう。
深く記憶に刻まれます。
私は最初に見てから1年間くらいして辞書を引くこともありました。

単語がわからず、宙ぶらりんな気持ちで読書をすることに慣れましょう。
大人の本を背伸びして読む子どもの気持ちになってください。
難しいページは飛ばしてよし。
最後までたどりついたら、読めたことにします。
内容を精確に知りたければ、日本語版を読んだり、映画を見ましょう。
ネットであらすじや要約が見つかることもあります。

最初の1年間は、本を完全に理解できると思わないことです。
それが学校英語の精読、和訳の学習と大きく違うところです。今はわからなくていい。
続けてさえいれば、1年後、2年後にはわかります。
最初のうちは「半分くらい理解できた」と思えるなら、適切な本のレベルを読んでいます。

読みながらの辞書引きはおすすめしませんが、それが負担でなく楽しめるときはどんどん引けばいいと思います。
読書中にわからない単語があるページに付箋を貼っておき、後でまとめて調べるのもいいやり方です。
付箋が10枚、20枚たまったら、お気に入りのお茶とお菓子を用意して、余暇として取り組みましょう。
至福のティータイムになります。

購入する数の100倍ぐらいの候補を洗い出す p107

多読で英語力向上をさせるうえで、一番重要なのは本選びです。
本当に感動する1冊と出会えれば、その1冊だけで英語力はぐんと向上するものです。
逆に、ハズレが連続したり、読んだけれども面白さがわからなかったという体験が続くと、読書習慣が続きません。
ハズレの本を引きたくないですよね。
だから私は、本選びにかなり長い時間と集中力を使っています。

私は月に10冊以上の洋書を購入しますが、その10倍くらいの数の本の購入を検討しています。
面白そうな本の情報をキャッチしたら、とりあえず Goodreads (後述)の Want to Read に登録してコミュニティの評価を確認し、
メタ書評サイトの Book Marks (https:// bookmarks.reviews/) で主要書評サイトにおける専門家の評価を確認します。
アマゾンの立ち読み機能を使って英語の難易度も確認します。

ブッククラブで知る p110

欧米では多数のブッククラブが存在しており、情報の発信源になっています。
毎月おすすめ本を格安で買える会員組織が基本ですが、多くは Instagram 、 Facebook 、 Twitter を運営しており、正式に入会せずとも紹介を見ることができます。
ブッククラブは、女性向けの本が充実しています。

リースのブッククラブ 
https://reesesbookclub.com/ 
映画女優であるリース・ウィザースプーンが始めた、大人気のブッククラブ。 

Between Two Books ブッククラブ 
https://www.betweentwobooks.co.uk/ 
本の売れ行きを左右するビッグネームのサイトもチェックすると話題の本が見つかります。

ブックトークに参加してみる p111

図書館や本好きの有志が開催する、ブックトークというイベントがあります。
何らかのテーマを決めて、参加者がおすすめ本を簡潔に紹介していくものです。
紹介する本がない人は聴いているだけでいいというルールの会も多いです。
私が館長を務めているデジタルハリウッド大学でも、「たどくらぶ」という名前で定期開催しています。
探してみてください。

ブックトークでは、英語の本を日本語で紹介します。
参加者は英語を学習中の人が中心なので、紹介されるのは絵本や児童書、ヤングアダルト、やさしい一般書が多いです。
しかし、中には英語が相当できて翻訳の仕事をしている人がマニアックな面白い本を紹介してくれることもあります。

「世界最大の本の読者SNS」 Goodreads を使いこなす7つのポイント p117

私の読書の供は Goodreads です。
Goodreads は、世界最大の本の読者SNSです。
Goodreads がなければ、私の英語読書はここまで続いていません。
洋書の最大の情報源であり、読書継続のインセンティブの源でもあります。私は毎日ログインしています。

AIを使って英語の読書を進化させる p126

近年のAI技術の進化は目覚ましいものがあります。
人間が文章で問いかけると、インターネット上から情報を収集して、役立つ答えを文章で返してくれるようになりました。
じつは、英語の読書にもAIは大いに活用できます。

5000語レベルだと英語の一般向けの本を辞書なしで読むのは困難 p144

率直に言って、英語で本を読むうえで一番重要なのは単語力です。
知らない単語が1語もないページは、読むのがかんたんです。
高度な文法が理解できなくても、単語の意味を順番に思い浮かべていけば、前後の文脈から内容はだいたいわかるものだからです。

図に挙げたような単語力のデータがあります。
大学を出て社会人になると、平均で5000語程度を知っていることになります。
しかし、5000語だと、英語の一般向けの本を辞書なしで読むのは困難です。
第2章でも触れましたが、その段階では英語の教材だとか、英語圏の子ども向けの本、多読教材が合っています。
半年くらい単語の暗記をやると、8000~9000語レベルに到達します。
ここで辞書を使えば一般的な本が読めるようになります。

15000語レベルに達すると、わからない単語はあるものの、辞書なしで一般向けの水を読むことができます。
ベストセラー小説も読めると思います。
New York Times や Time のような難しめの新聞も辞書なしでいけるでしょう。
20000語あれば、ネイテイブも難しいと考える本を読めます。
プロの通訳者、翻訳者と同じです。 

自分の単語力を知りたい人は、次のサイトで測ることができます。 

Weblio 語彙力診断テスト 
https://uwl.weblio.jp/vocab-index 

ボキャビルという劇薬 p146

ちなみに、大人の日本語の語彙は3万~5万語だと言われます。
そのうち、これまでにどのくらいの語彙を辞書で知ったでしょうか。
辞書で覚えたのは専門語が中心で、おそらく数パーセントではないでしょうか。
辞書で覚える単語は例外であり、少数派なのです。

それに、辞書を引いて確認した単語を、翌日どれだけ覚えているでしょうか。

「単語をなんとなく使えるようになってから、辞書で意味を確認する」

英語の上達は、そのほうが早いのです。
単語を集中して覚える学習をボキャブラリ・ビルディング(ボキャビル)と呼びます。
ボキャビルは、無理してやる必要はありません。読める本を読むだけでも語彙は自然に増えていきます。
数年間もやっていれば、結構な語彙が身につくでしょう。
本を楽しく読むことが何よりも大切です。やりたくないことはすべきでありません。
でも、その数年間を数分の一に短縮したいとしたら、ボキャビルの出番です。

覚えた英単語が1.5万語程度に達すると、一般的な本や新聞が負荷なく読めるようになります。
ボキャビルなしでそのレベルを達成するには5年や10年くらいの時間が必要になると思います。
それを劇的に短縮する方法がボキャビルなのです。

ボキャビルの弱点として、たとえいったん覚えても忘れてしまうことが挙げられますが、多読と併用すると日常的に覚えた単語と触れ合うことになるので忘れることがありません。
多読と暗記は対照的に見えますが、じつは相性がいいのです。

ボキャビルは、精読と並んで取扱注意の劇薬です。
十分にモチベーションがある人以外、手を出してはいけません。
ただし、楽しく取り組めたら劇的な効果があります。
楽しいというよりも「苦しくない体験にする」というのが正しいかもしれません。
私はボキャビルをやる際、「これはズルいドーピング行為なんだ」と思ってコソコソやっていました。
英語でいうギルティ・プレジャー (後ろめたいがやめられない物事)でした。
単純な作業になりがちなボキャビルを楽しい習慣にするには、気の持ちようが大切です。

ボキャビルに資格試験を活用しよう p153

ボキャビルと同時に、TOEICや英検のような資格試験を目指すことをお勧めします。
ボキャビルは、そうした資格試験の特効薬でもあるからです。
語彙と正比例して、みるみる得点や級が上がるはずです。それがボキャビル継続のインセンティブになります。

私は45歳で英語の再入門を始めて、1年目と2年目はTOEICと英検を真剣に勉強していました。
再入門時の私の英語力は、TOEICで600点レベルでした。
大卒の平均点といったところです。私の仕事場では、資格試験はあまり意味がありません。
ですから、純粋に自分の英語の能力を測りたくて始めました。
普段は大学教員なので試験を出す側で、試験を受けたのはもう何十年も前でしたが、久しぶりの試験に燃えました。
毎回の出来に一喜一憂しました。

p156

読書をしていない人は、英検1級の単語を覚えることに抵抗があるようです。
「こんな単語を覚えても一生使わないよ」と思ってしまうのです。
たしかに、日常のコミュニケーションでは使わないかもしれません。
しかし、普段、英語で読書をしていると、英検1級の単語は普通に使われる単語なのです。
見たこともない単語は覚える気がしないかもしれませんが、見たことはあるけどわからなかった単語は覚えるモチベーションが湧いてきます。
iKnow で英検1級用の単語を暗記しました。

p173

1日の仕事が終わって疲れている時、英語を使いすぎて頭が飽和してしまった時に、
あえてやさしい英語の本を読んでみたり、やさしいオーディオブックを聞いてみましょう。
集中しなくても理解できるレベルを確認し、向上させることができます。

リスニング力の向上でおすすめなのが、眠る前にオーディオブックを聞くことです。
特に、眠くなってきた状態でのリスニングは、調子の悪い時のリスニングを再現しています。
その状態で聞き取れたら、本物の力と言えます。

聴きとれなくてもかまいません。1週間くらい連続で、同じ内容で試してみましょう。
意味がわからなくても文章全体のリズムのようなものが頭の中に刷り込まれると思います。

その後、眠くないときに同じものを聞いていましょう。
驚くほどよくわかることがあるはずです。なぜそうなるかはわかりませんが、私は睡眠学習と呼んでいます。

脳内英語教室 p189

私は、15分くらい暇な時間ができると、すぐ「脳内英語教室」を開催します。
これには、有名な作品の一説を暗記しておく必要があります。

たとえば、最近の私の教材は "Pride and Prejudice" (高慢と偏見) の冒頭部でした。
完全に暗唱できるようにします(最初は絵本の一節、ドラマのセリフなど、もっと短くてかんたんな文章でかまいません)。

これを、電車で吊革につかまっている時、カフェでひと息ついている時、道を歩いている時などに、脳内で再生します。
そして、文法の意味を、1単語ずつ解剖学的に考えてみるのです。
たとえば、最初の1文だけでも、考え始めると短い文章でもポイントは次々に出てきます。

そして、1つずつ考えてみるのです。わからなければ、Googleで調べます。
有名な作品であれば、その文章についての英文法解説が見つかるかもしれません。
文法1項目につき5分くらいで終わると思います。

最後に、また意味をかみしめながら暗唱すると、単語の機能が明解になっているので、記憶に深く刻まれます。
日常会話で It is a truth universally acknowledged だとか in possession of や a good fortune が使えるようになります。
このくらいの長さの文章を暗記すると、だいたい1か月くらいは脳内英語教室のネタに使えます。

じつは書評はかんたんに作文できる p197

「書評を書くなんて難しそう」
そう思いますか? じつは、書評は書きやすい作文です。

本の概要を紹介して、自分の感想を書く・書評にはいろいろなスタイルがありますが、ここでは私のスタイルを紹介します。
まず概要を数行、感想を数行。これで最小の形になります。
さらに書くべきことがあれば、作品の背景や著者に関する情報、5つ星の評価をつけるといいでしょう。

p234

オンライン英会話を始めるなら、カリスマ英語講師の安河内哲也氏の『英語が話せるようになりたければ、今すぐオンライン英会話をやりなさい!』(NHK出版刊)を読んでからやるのがおすすめです。
安河内氏は、英語が流暢なのに、今も毎朝9時からオンライン英会話レッスンを受け続けているそうです。
30年以上も英語を教えているため、フィリピンの若者が先生になるときには、安河内氏のほうが英語力が高いケースもあるとのこと。

そのレッスン内容の紹介がユニークです。
フィリピン、セルビア、ルーマニア、インド、バングラデシュ、ジンバブエ、ジャマイカ、ケニア、モロッコなど、各国の初対面の英会話講師たちに身の上話を聞き、国でいま起きていることを話してもらうのです。
英語学習というより、世界中の人との出会いを楽しんでいるのです。

日本語を封印する時間を増やす p245

英語を使う時間を増やすことを考えるより、日本語を封印する時間を増やすことを考えましょう。
日本語に触れたら「汚染された」と思う感覚になりましょう。

頭の中で英語を和訳する癖もやめましょう。
英和辞書を引くと日本語を見てしまうので、使う機会を限定します。
読書を英語に切り替えてから、私は約3年間、日本語の本を1冊も読まない時期がありました。
ひさしぶりに縦書きの和書を読んだときの違和感となつかしさを今も覚えています。

私の勤務する大学では、毎年、海外の大学に留学に行き、帰国後に英語で体験を報告するイベントがあります。
長期の留学はまちがいなく効果があり、ほぼ全員がある程度英語が上達していますが、その上達の度合いには差があります。
現地で日本人とばかり話していたり、日本語の情報から抜けきれなかった学生は、顕著な向上が見られません。
英語漬け脳内留学の場合でも、同じことが言えるのです。日本語の空白を作れば、そこに英語が入ってきます。
そうしていれば、3か月、半年、1年、2年くらいの時期に、確かな上達を感じられるはずです。
周囲からは違和感を持たれるくらいでちょうどいいです。
私は、すべてを英語にして暮らしているということを、家族や親しい同僚には話しておき、理解を得ました。
英語学習や多読のコミュニティに参加して、日本語を使わない仲間を作りましょう。

それから、英語漬けは止めないことが重要です。
「ちょっと日本語に戻してもいいかな」という油断は禁物です。
短期的にわかりやすく上達が感じられなくても、継続しないと効果がなくなってしまいます。
ほかの学習は知識のブロックを積んでいくようなイメージがありますが、
この本の多読・多聴中心の方法は、薄い紙を1枚ずつ重ねていくイメージです。
ブロックのほうが手っ取り早く積めますが、案外、揺らすと崩れてしまったりする。
その一方で、薄紙を重ね続けて数メートルにした能力は揺らぎません。
そう信じて、1枚ずつ重ねてください。