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「エフォートレス思考 努力を最小化して成果を最大化する」を読んだ

投稿時刻2023年3月19日 07:00

エフォートレス思考 努力を最小化して成果を最大化する」を 2,023 年 03 月 19 日に読んだ。

目次

メモ

PART 1 エフォートレスな精神 p37

なぜそうなるのか ?
認知心理学に「知覚的負荷」という概念がある。 

人の脳は非常に高性能だが、それでもやはり限界がある。
脳は普段から、 1 日に 6000 種類ほどの思考を処理している。
そこに新しい情報が入ってくると、どのように知覚のリソースを振り分けるかを判断しなくてはならない。

その際、脳は恐怖や怒りといった「感情価」の高いものごとを優先するようにできている。
だから強い感情が渦巻いていると、脳はそちらにリソースをとられて、本当に大事なことをやる余裕がなくなってしまうのだ。

最小努力の法則 p47

人の脳は、困難なことを避けて、簡単なことを好むようにできている。
認知容易性のバイアス、あるいは最小努力の法則と呼ばれるものだ。
何かがほしいとき、人はもっとも苦労の少ないやり方でそれを得ようとする。

エフォートレスな行動 p132

フリースローをするときに力が入りすぎていると、ボールが強く飛びすぎて失敗する。
仕事でも同じだ。力みすぎると、思うような成果が出ない。
「もっと頑張らなければ」と労働時間を増やし、全力を尽くすのだが、疲れるばかりでうまくいかない。

そんなときは、視点を変えてみることが大切だ。
あるポイントを超えると、努力の量は結果に結びつかなくなる。
むしろ、パフォーマンスが低下する。

経済学ではこれを「収穫逓減の法則」と呼ぶ。
入力の量が一定量を超えると、いくら入力 を増やしても出力が増えなくなるという意味だ。

最小限の機能で最大限の学びを得る p149

デザイン思考の原則に、MVP (実用最小限の製品)というものがある。
「リーン・スタートアップ』の著者エリック・リースは、
MVPを「最小限の努力で顧客の反応を最大限に知ることのできるバージョン」と定義する。
フィードバックを得るという目的に特化し、機能を最小限に抑えることで、
無駄な労力を費やすことなく最初の一歩を踏みだし、顧客の求める製品をつくりあげることが可能になるのだ。

たとえば Airbnb (エアビーアンドビー)は、なんの飾りもないウェブサイトにアパートメントの写真を数点載せるという、非常にシンプルな方法でサービスを開始した。
するとまもなく3人の顧客がアパートメントをレンタルしてくれた。 
その顧客のフィードバックは Airbnb に、貴重な「検証による学び」を与えてくれた。

MVPはスタートアップの方法論だと思われがちだが、実はどんなプロジェクトにも応用できる考え方だ。
何かに取りかかるとき、頭の中でさまざまなシナリオを練り、ただ悩むことに多くの時間と労力を費やしていないだろうか。
あるいは、全力で間違った方向に走りだし、気づいたときには多くのリソースを無駄にしていないだろうか。

MVPを取り入れれば、最小限の努力で前に進みつつ、最大限の正しい情報を得ることが可能になる。
この原則について考えるとき、私はいつもシェイクスピアの『夏の夜の夢』に出てくる「小さいけれど激しい」ハーミアを思いだす。
最初の一歩はとても小さく、取るに足りないように思えるが、実は激しい力を秘めているのだ。

マイクロバーストを引き起こす p150

マイクロバーストとは、10分程度の短い時間に強烈な風が生じる気象現象だ。
積乱雲から生じる下降気流の柱は時速100キロ近くにも達し、大木が倒れるほどの勢いで地面に打ちつける。 

このマイクロバーストという言葉を、エイプリル・ペリーは10分程度の強い集中力の高まりに当てはめる。
最初の一歩を正しく踏みだせば、やる気とエネルギーが強烈に高まり、マイクロバーストを引き起こす。
そして、そこからは行動を起こすたびに、エネルギーと自信がどんどん積み重なる。

2・5秒が未来を変える p152

最新の脳科学および心理学によると、「今」として体験される時間はおよそ2・5秒。
私たちはつねに2・5秒を生きているともいえる。
大きな成果も、突き詰めればこの小さな現在の繰り返しだ。

2・5秒の時間があれば、私たちは注意を切り替えることができる。
たとえば携帯電話を置く、ブラウザを閉じる、深呼吸をする。
あるいは新しいことを始めることもできる。
たとえば本を開く、ノートを取りだす、ランニングシューズを履く、引き出しからメジャーを探しだす。

同じ2・5秒で、無駄な行動をしてしまうこともある。
テック企業はこの2.5秒の重要性を心得ているため、なんとか私たちの注意を獲得しようと日々工夫を重ねている。
最近のサービスがとても小さな単位で提供されるのはそのためだ。

140文字のツイッター。
フェイスブックやインスタグラムの「いいね」。
スクロールして一瞬で概要を把握できるニュースフィード。

それらのちょっとした動作は、とくに時間を食うようには感じない。
ほんの数秒のことじゃないか、と私たちは思う。
だが、そうした行動を積み重ねていると、何もやり遂げることができなくなる。無意味な2・5秒が積み重なるのだ。

重要な方向に一歩を踏みだすと、ゴールにたどり着くのは容易になる。
無駄な方向に一歩を踏みだすと、ゴールにたどり着くのは困難になる。
「今」の使い方を変えれば、その後の行動は大きく変わる。
2・5秒をモノにして、最初の一歩を有利に踏みだそう。

第 8 章 SIMPLIFY 手順を限界まで減らす p154

1998年2月、ペリ・ハートマンはシアトル中心部にある4階建てのビルディングから外に出た。
アマゾン創業者ジェフ・ベゾスとアマゾン最初の社員でソフトウェア開発リーダーを務めるシェル・カファンと一緒に、ランチミーティングをするためだ。

3人はアマゾン本社から1ブロックほど離れた、活気あふれるマイクロブルワリーに向かった。
このミーティングを呼びかけたのはジェフ・ベゾスだった。
当時アマゾンのウェブサイトはまだ試行錯誤の段階にあり、購入プロセスの改善について頭を悩ませていたのだ。

注文を確定する際、当時のオンラインショッピングでは、何ページもの面倒なプロセスむのが普通だった。
氏名を入力し、次へを押す。住所を入力し、次へを押す。
クレットカードの種類を選び、クレジットカード番号を入力し、有効期限を入力する。さらに請求先住所を入力する。 

次へ次へと何度も繰り返すため、途中で離脱していく顧客も多かった。 
ランチを食べながら、ベゾスがふいに言った。 
「注文システムからいっさいの引っかかりをなくしたい。
最小の努力で注文を完了させたい。
何度もクリックするのではなく、一度だけですませられないだろうか」

ベゾスのゴールは明確だった、とハートマンは言う。
「ステップ数が増えるほど、顧客の気が変わる確率が高くなります。
ワンクリックで買えるなら、そのほうがずっと購入してもらいやすいのです」

やらないことを最大限に増やす p167

2001年2月、ニタのワサッチ山脈にあるスキーリゾートに17人の先進的なソフトウェア開発者が集まった。
彼らはリラックスした雰囲気でスキーや食事を楽しみ、ソフトウェア開発について話し合った。
その週末の会話から生まれたのが、有名な「アジャイルソフトウェア開発宣言」だ。

アジャイルソフトウェア開発宣言は、ソフトウェア開発の無駄や難解な部分をなくし、
効率的によりよいソフトウェアをつくるための原則をまとめた文書である。 

その原則のひとつは、「シンプルさ(やらないことを最大限に増やす技術)が本質だ」。
ソフトウェア開発の目的は顧客のために価値を創造することだが、
より少ないコードと機能で実現できるのであれば、絶対にそうすべきなのだ。

この原則はソフトウェア開発だけでなく、日常のあらゆるプロセスに適用できる。
「やらないことを最大限に増やす」にはどうするか、を考えればいい。

言い換えれば、最終的な目標が何であれ、価値を生みだすステップだけに集中すべきだということだ。
無駄な手順には機会コストがかかる。
本質的でないステップを取り除けば、そのぶん本質的なことに使える時間やエネルギー、脳のリソースが増える。

実際にやってみると、一見複雑に見えるタスクが、わずか数ステップで達成できることに驚くだろう。

スポーツライターのアンディ・ベノワに言わせれば、
天才は「複雑なものを分解するのではなく、気づかれていない単純なものを利用して成功する」のだ。

ゴミから始める p171

多くの人は、創造のプロセスを誤解している。
優れたものや美しいものを見ると、最初からベビーヨーダのように完成形で生まれてくると考えがちだ。
だが、実際はまったく異なる。

ピクサーの元CEOエド・キャットムルは、「なんでも最初は醜いものだ」と言う。
「ピクサーの作品だって、最初は見られたものではない」

キャットムルによると、どんなストーリーも最初は「ぎこちなく、不恰好で、脆弱で、不完全」だ。
だからこそ、彼はそのような「ゴミ」を受け入れる土壌を整えてきた。

学習サイズの失敗を積み重ねる p174

あえて失敗するのは、勇気がいることだ。失敗は怖いし、傷つく。
失敗した場合の影響が大きければ、それだけ大きな勇気が必要になる。
私たちの勇気は無限ではないので、なるべく安く失敗を経験したほうがいい。

直線的な成果と累積的な成果の違いとは p200

私の友人ジェシカ・ジャックリーは、東アフリカでボランティア活動をしていたときに、現地で魚屋を営むキャサリンと出会った。
キャサリンは毎日、仲買人から半ダースほどの魚を仕入れて、露店で売っていた。
7人の子どもたちを養うことを考えると、本当は漁師から直接仕入れて利ざやを増やしたかった。
そのためには100キロ以上の距離を移動しなければならないのだが、バス代を払う余裕がないし、店を閉めて遠出する余裕もない。
実現するためには、500ドル程度の資金が必要だった。

キャサリンのような村人がいることを知り、またムハマド・ユヌス氏によるグラミン銀行の話を聞いたことがきっかけで、
ジェシカは「Kiva (キヴァ)」というプラットフォームを共同で立ち上げることにした。

キヴァは、途上国の起業家に対するクラウドファンディングのプラットフォームだ。
インターネットを通じて、誰でも少額からお金を貸すことができる。
おもしろいのはキヴァクレジットというしくみだ。融資が返済されると(返済率は96%以上)、
お金はキヴァクレジットに振り込まれ、その資金を簡単に別の起業家に融資できる。 

それが返ってくればまた別の起業家に融資できる。
一度だけの投資で、何年でも何十年でも起業家たちを支援できるサイクルができあがるのだ。

読書から最大限の成果を得る方法 p215

読書は、この世でもっともレバレッジの高い活動だ。
1日の労働時間とだいたい同じ長さの投資(と数ドル)で、おそろしく賢い人々の発見や知恵にアクセスできる。
本をしっかりと読み、自分の血肉にすれば、ほかの何よりも累積的な成果が得られるだろう。