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「デザイナーズハンドブック レイアウト編」を読んだ

投稿時刻2024年4月12日 14:17

デザイナーズハンドブック レイアウト編」を 2,024 年 04 月 12 日に読んだ。

目次

メモ

トンボとは p21

正確な位置に印刷し、裁断するために必要不可欠な目印が「トンボ」です。
その形が虫のトンボに似ていることが、名前の由来です。
「レジストレーションマーク」や「トリムマーク」とも呼ばれます。
判型(仕上がりサイズ)の外側に配置されるため、完成した印刷物では見ることはありません。
チラシなどの一枚物のレイアウトでは、レイアウト時にトンボを設けておきます。
複数ページの場合は、製版や印刷工程でトンボを設けます。
図版や色を、小口や天地のいっぱいまで配置する場合(裁ち落とし)は、断裁の誤差を考慮して、トンボまで伸ばしておきます(塗り足し)。

p25

[行間]
本文の各行は一定の間隔で並べ、行どうしの空き量は「行間」として示します。
級数と行間の指定で、自動的に行送りも決まります(級数+行間=行送り)。
[行送り]
行を並べるピッチ「行送り」の単位は「歯(H)」。
文字サイズ基準の「%」でも示されます。

ポイントと級数 p37

レイアウトにおいて、文字のサイズを示す単位には「級(Q)」や「ポイント(pt)」を使用します。
1Qは0.25mmに相当し、例えば「10Qの文字」と指定すると、それは2.5mm四方の仮想ボディに収められた状態の文字のことです。
字送りや行送りの単位には「歯(H)」を用いますが、これも級数と同じく1Hが0.25mmに相当。
1Q=1Hであると覚えておきましょう。
ポイントはシステムや起源などにより種類が複数に分かれ、1ptを0.3514mmとするアメリカ式や、1ptを1/72インチ(約0.3528mm)とするDTP式などがあります。
InDesignなどのレイアウトソフトでは、どちらのポイントを採用するかの選択も可能です。
1 [7Q・5pt]
7Q=1.75mmで、約5ptに換算できます。
見る者が文字として判別することができる最小限に近いサイズです。

2 [12Q・9pt]
12Q=3mmで、約9ptに換算できます。
本文の用途に十分なサイズで、1つの基準として覚えておくと良いでしょう。

3 [16Q・11pt]
16Q=4mmで、約11ptに換算できます。
児童向け媒体の本文や、一般向け媒体の小見出しほどのサイズです。

4 [20Q・14pt]
20Q=5mmで、約14ptに換算できます。
幼児向け媒体の本文や、一般向け媒体の大見出しほどのサイズです。

5 [24Q・17pt]
24Q=6mmで、約17ptに換算できます。
雑誌の記事タイトルなどでは、より大きなサイズの文字も使用されます。

読みやすい行間 p40

ある程度まとまったボリュームがある本文などでは、テキスト量と誌面スペースの兼ね合いを考慮しつつも、適度な行間を確保することが重要です。
読みやすい文字組みを実現するためには、文字サイズの0.5~1倍ほどの行間が必要とされます。
行送りで示すと、文字サイズの1.5~2倍ほどです。
さらに、字面が大きい書体を用いた場合や行長が長い場合には、比較的に行間を広めに確保します。
行長が短い場合には行間が狭くても読みやすく、字面が小さい書体では行間を広げすぎないことでパラついた印象を避けられます。

読みやすい字間 p41

仮想ボディを隙間なく並べる「ベタ組み」は最もスタンダードな組み方です。
このとき字間は0H、字送りは文字サイズと等しい大きさになります。
字面が小さい書体では、文字どうしの間隔がパラついて見えるため、1Hずつや0.5Hずつなど字間を均等に詰める組み方も有効です。
反対に、字間を均等に空けてゆったり組むこともできます。
さらに見出しなどでは、隣り合う文字の字面の見た目に合わせて、場所ごとに詰め量を変えるプロポーショナル詰めも活用されます。
行ごとに字数が変わるため、箱組みの本文などではベーシックな組み方ではありませんが、さまざまな要因により多くの媒体で活用されているのが実状です。

キャプションの体裁 p45

写真・イラスト・図解などの補足説明となるキャプションは、対応する図版要素との間隔の設定が重要です。
関連するまとまりとして見えるように近くに配置しつつも、図版をジャマしない適度な空きを保ちましょう。
程よいキャプションの例です。
行長と図版の幅を揃えたことで、一体感が増して整った印象に仕上がっています。

キャプションが図版に近すぎる例です。
適度な空きを確保しないと、図版もキャプションも見づらくなります。

必ずしもキャプションの行長と図版の幅を一致させなくても、どこか一辺のラインを揃えれば整って見えます。

左端を揃えつつも、キャプションが図版の幅より長い例です。
原則として、このような処理は避けましょう。

図版率と読みやすさの関係 p63

誌面のなかで、文字に対する写真やイラスト、グラフなどの図版が占める面積の割合を図版率と言います。
図版率が低い(文字が多い)とまじめでやや堅苦しい印象、図版率が高い(文字が少ない)と親しみやすさを感じやすい傾向があります。
視覚効果による読みやすさも図版率と比例します。
誌面の主体が読み物の場合でも、ポイントとして10%前後の図版や余白を入れることで、0%の時より「とっつきやすさ」「読みやすさ」が増すと言われています。
しかし、誌面の主旨、ターゲットによっては、さらに図版率を上げることも考えられます。
一概に何%がいいと言えることではありません。
内容とテーマを考えて、最適なバランスを探すことが大切です。
[図版率 0%]
レイアウトスペースは文字だけで構成されています。
多くの辞書や小説は図版率0%です。

[図版率 20~25%]
図版と文字との割合が約2対8です。
これだけでも印象がずいぶん変わり、親しみやすさがわいてきました。

[図版率 50%]
図版と文字が対等な関係なので双方が活き活きとしてきました。
約50%前後が、一般に「読みやすい」と感じられる比率です。

[図版率 70~80%]
図版と文字との割合が約7対3。
主に図版を見せたい誌面です。
絵本は一般的に、このくらいの比率です。