「デザイナーになる! 伝えるレイアウト・色・文字の大切な基本と生かし方」を 2,024 年 04 月 12 日に読んだ。
目次
メモ
p8
「デザイン」は、「目的を形にすること」です。
つまり、「デザイナー」とは、「目的を定め、目的を形にできる人」です。
その形にする力こそ、「デザインカ」なのです。
p9
「デザイン」は「カッコよくて、キレイな表現をすること」じゃない。
「目的」ありきなんです。
その「目的達成のため」、カッコよくしたり、キレイに表現したりするんです。
キーワードを書き出す p13
手を止めず、紙にキーワードを書きまくる
ここで一度、つくるデザインの概要(目的・ゴー ル・特長・関連情報)を整理。
これらを踏まえ、考えつくキーワードを、できる限り、たくさん書き出しましょう。
アイデア出しの部分でもあります。
下のイラストは、あるカフェの事例です。
直接的な「自然」、具体的な色「緑」、場から派生した「笑顔」などが出てきました。
ポイントとしては2点。
「紙に書き出すこと」→客観的に考察する状態をつくるため。
「手を止めないこと」→思考に圧をかけ、普段以上の力を発揮するため。
15分で紙いっぱい、キーワードで埋める!といった、目標を決めても良いでしょう。
頭で考えつつ、手を動かし続けましょう。
完成形を想定する p12
一言で伝える「印象のゴール」を決める
想いを聞き、具体的に「誰に向け、何をつくるか(ロゴや名刺、Webサイトといった媒体)」を決めました。
もうひとつ、「印象のゴール」を決めましょう。
完成したデザインを第三者がパッと見たとき、どう感じて欲しいか。
一言で言うと?
クールでかっこいい。
ふわふわかわいい。
ナチュラルでやさしい。
はじけるポップさ。
などなど。
この「一言で言うと?」がポイントです。
いろいろと混ざり合う印象は中途半端になりがちで、良いデザインにするには難易度が高くなります。
場を離れた後も、強く記憶に残る。
そんなデザインを目指すため。
ズバッと、「印象のゴール」を決めましょう。
コンセプトを決める p14
キーワードをくっつけ、1つの言葉「コンセプト」にする
キーワードを書き出したら、これは!と光る言葉2、3個に○をつけましょう。
くっつけ、まとめることで、1つの言葉に。
それが、コンセプトになります。
コンセプト(概念)は、スローガン(合言葉)・テーマ(主題)・ビジョン(構想)と同等に捉えてもらって構いません。
豊富なキーワードから勝ち抜き、強い言葉でできたコンセプト。
デザインの根っことなる部分です。
制作途中、迷うことがあれば、「コンセプト」を口に出してみましょう。
この例では、「日の当たる場」としたので、より「日の当たる場」に相応しい表現は何か、を考えています。
良いデザインは、良いコンセプトから生まれます。
アイデアの参考本
「アイデアのつくり方」
(ジェームス W. ヤング 著)
「考具 ―― 考えるための道具、持っていますか?」
(加藤 昌治 著)
アイデアを考えるためのおすすめの本です。
アイデア発想方法にルールはありません。
この本を読むだけでなく、いろいろな方法を試してみましょう。
キーワードやコンセプト。
語彙力が高ければ高いほど、光る言葉がより出てくるでしょう。
なので、「本をたくさん読んでいる人」は、言葉起こしが強い!
周りを見渡す p15
方向性の近い、優れたデザインをたくさん見る
デザインのゴール、コンセプトが決まりました。
進むべき方向が、もやもやと見えてきているかと思います。
しかし、まだラフは描かず、リサーチをしましょう。
自分が考える表現に加え、優れた多くのデザインを見ることで、ゴールとコンセプトをより強い形にします。
「これは優れているな」
「こんな雰囲気に近づけたいな」と感じるデザイン媒体を探し、集めましょう。
百貨店・大型書店は、種類あふれるリサーチ宝庫。
フライヤー・パンフレット・フリーペーパー・ショップカードなどが取り放題。
書籍・雑誌は古本屋でも買えますね。
ついでに、オシャレな店を眺めるのもいい刺激です。
素材を集める p18
素材集めは、ラフを形にするための下準備
ラフによって完成形の方向性が決まったら、目的に合った素材を用意しましょう。
素材は、大きく分けて「画像素材」と「テキスト素材」の2つがあります。
「画像素材」は写真やイラスト、図版、ロゴ、アイコンなどといった視覚的要素、「テキスト素材」はキャッチコピーや見出し文、電話番号、URLなどといった言語的要素のことです。
これらの素材がすべて揃って、はじめてレイアウトを開始できます。
では、どのように用意すればよいのでしょうか?
意する方法は主に「提供」、「収集」、「作成」の3つ。
いずれの方法も、ラフを思い通りの形に起こすための下準備だということを忘れないでくださいね。
素材を用意する方法: 「提供」
クライアントが素材を用意し、それを提供してもらう方法です。
既にオーナーさんがお店のロゴデータやオープン前のお店の情報を持っている場合などは、それらを受け取ります。
素材を用意する方法: 「収集」
既にでき上がっている素材を集める方法です。
方向性が近しいと感じる写真やイラストの素材集を使うなど。
独自性を高めたい場合などには向かないこともありますが、スピード優先、コスト優先時は便利です。
素材を用意する方法:「作成」
オリジナル要素を高めたい場合や、既存素材にイメージの合うものがない場合は、自分の手で用意します。
イラストレーターやフォトグラファー、ライターといった人たちに依頼し、つくってもらう方法もあります。
外注サービスを利用する
テキスト素材で外注、翻訳が必要だけど、でも身近に良いライターがいない…という場合は、クラウドソーシングサービスを利用する方法があります。
見積依頼・発注先探しのビジネスマッチングサイト「リカイゼン」
https://rekaizen.com/
翻訳サービス「スプリングヒル」
http://sh-honyaku.jp/
p19
「限りある予算と納期」から最高の完成形に導く。それが“プロ”のデザイナー。
「限りない予算と納期があれば、“素人”でもできる」という言葉があります。
p21
ざっくりと配置、次に細かな調整
まずは素材をざっくりと配置します。
お店のロゴと木のイラストは大きいほうがいいな。
説明文は控えめサイズがいいか。
でも、オープン日は目立った方がいいよね。
ガイドラインを引き、揃えるべき箇所を揃え、全体をやや整えた印象に。
少し組んだら、すぐに一度プリントアウトしましょう。
お!画面上では気づかなかった改善点が見えてくると思いますよ。
次にレイアウトを効果的に調整していきます。
p24
「検証・調整の反復」を何度も繰り返す
それでは、ベストな答えを導き出し、完成度を高めるためにはどうしたらいいでしょう?
「何度もプリントして、何度も確認を繰り返す」。
この検証・調整の反復に尽きます。
プリント確認し、改善点を書き出す。
Illustrator上で改善点を反映する。→またプリント確認し、改善点を書き出す。→Illustrator上で改善点を反映する。→またプリント…この繰り返しです。
細かな改善点、具体的な気づきと対処例
バックの青空写真に対し、ロゴの色味が濃すぎるかな…もう少し明るくしてみよう。
日当たりの良い感じは、字間を広めに取った方が雰囲気出るかな。
オープン日の日付表記は、少しキャッチーな袋文字にしようか。
ロゴの印象に合わせ、電話番号の書体も欧文書体から選ぼう。…などです。
つまり、トライアル&エラー
何かが改善されると、それまで気づかなかった次の改善点が見えてくるものです。
一度に気づけばいいんでしょうけど、不思議ですね~。
だからこそのやりがい。試行錯誤。
細部を調整しつつ、全体の見え方を確認することも忘れずにお願いしますね。
「紙」はモニターより気づきやすい
特にグラフィックデザインではモニターで直接確認するより、紙にプリントした方が、調整ポイントに気づくことがよくあります。
透過光(モニターの光)より、反射光(紙に反射する光)を見る方が、脳が分析的・批評的になるのです。
だから、プリント確認!
検証確認用のおすすめ
プリンタは、幅広い「A3出力対応機種」。
素早くデザイン力をつけるため、こまめにプリントしよう。
インク代をケチケチしない!
プロの仕事と比較・検証する p26
デザインがうまくなるコツ
「見て、つくる」
デザインがうまくなるコツ。
それは「多くの優れたデザインを見て、たくさんのデザインを自らつくること」です。
人の脳は、インプットとアウトプットの比率が1:1となることで成長が促されます。
極端な話、ポスター1枚を見たら、自分がポスター1枚をつくることで、はじめて意味を成すのです。
デザイン書籍や雑誌などを見てみよう
実例をまとめたデザイン書籍の良いところは、「ロゴ」「ショップツール」といった、ジャンル・分野ごとの特集が組まれてあり、一覧性があります。
雑誌などの実物は、(当たり前ですが)原寸そのものなので、文字サイズやマージンの取り方の比較がしやすいのです。
p31
印刷会社の得意分野をチェック!
ネットで簡単に発注・入稿ができる印刷会社もたくさんあります。
「安価でスピィーティ」「面白い印刷が可能」など、印刷会社によって得意分野があります。
なんと、紙や印刷サンプルを無料で送ってくれるとこも。
日頃からチェックしておきましょう。
「印刷の通販 グラフィック」
https://www.graphic.jp/
特殊印刷・特殊加工 「河内屋」
http://www.kawachiya-print.co.jp/
p96
この縦軸・横軸をつくる場合。
いきなり素材を配置することは避けましょう。
どうするかって?
モノクロで構成するのです。
モノクロ状態でのレイアウトは、素材のサイズ感やマージンといった、バランスや塩梅の確認がしやすいのです。