コンテンツにスキップする

「デザイン・ルールズ」を読んだ

投稿時刻2024年4月12日 15:14

デザイン・ルールズ デザインをはじめる前に知っておきたいこと」を 2,024 年 04 月 12 日に読んだ。

目次

メモ

重心とバランス p34

紙面を構成する要素には「重さ」があり、その配置によって重心やバランスが決まります。
要素を紙面に配置する際、注意したいのが全体の「バランス」です。
バランスを見る際のコツは、紙面に配置する要素を「重さ」で考えるということです。
文字でも、写真でも、イラストでも、あらゆる要素は「重さ」に置き換えて見ることができます。
要素の重さは、その面積と色で決まります。
面積は実際にその要素のサイズで考えればよいのですが、色はその要素をグレーに置き換えたときにどう見えるか?という風に考えます(図1)。

例えば文字は、大きくて太いほど、グレーの色が濃くなります。
逆に細い文字や、文字間を開いて配置した場合は密度が下がり、グレーの色は薄くなります。
文字の色は黒に近いほどグレーが濃くなり、重みを増します。
画像や図版も同様に、色が濃いものはグレーが濃くなり、逆に明るい画像やであればグレーは薄くなります。
この作業は、実際には頭の中でシミュレーションして考えるようにします。

このようにして考えた要素の重さが、紙面全体で均衡がとれている状態を「バランスがよい」と考えればよいでしょう。
もちろん全体がまんべんなくグレーになっている状態もバランスがとれていますが、色が薄くて面積が大きいものと、面積は小さいけれど色は濃いものといった組み合わせでも、均衡が保てます(図 2,3)。

この方法で見るべきは、その重心の位置です。
通常「バランスがとれている」状態にするには、左右の中心に重心が来るよう計算します(図4)。
人の目には上下方向よりも、左右方向の重心の方が意識されやすいものなのです。
図 1
紙面のバランスを考えるには、すべての要素をグレーの色面に置き換えてみるとよいでしょう。
文字や写真などもこのようにして考えると、バランスをとりやすくなります。

図 2
グレーの色面を「重さ」として考えます。
面積は大きいほど重くなり、グレーの色も濃いほど重いということになります。

図 3
実際のレイアウトでは、色が薄くて面積がある要素と、色が濃くて面積が小さいものとでバランスをとる方法がよく使用されます。

図 4
要素の重さの中心は、左右の中央になるようにします。
「センター揃え」と呼ばれるレイアウト方法では、あらかじめ中央の重心の位置で要素を揃えます。

p49

今度は1行あたりの文字数についてを考えてみましょう。
1行の長さのことを「行長(ぎょうちょう)」と呼びます。
行長が長すぎると、視線を大きく動かす必要が生じ、文章を読みにくくする原因となります。
また長過ぎる行長は、次の行への移動も長くなります。
逆に行長が短すぎると改行が増え、文章がとぎれとぎれになることで、視線の移動回数が多くなってしまいます。
読者がどこを読んでいるかわからなくなったり、同じ行を何度も読んでしまう、テンポよく読み進めることができないといった現象は、行長に原因があることが多いのです(図5)。

行長を考える際は、読むときに顔の向きを変える必要がない程度、つまり目の向きを移動するだけで読み切れる長さを基本として考えるとよいでしょう(図6)。

文章の内容によっても、最適な行長は違います。
平易な文章ほど、短く改行した方がテンポよく読むことができます。
逆に研究書のような解な文章の場合は、ある程度行長が長い方が内容に集中することができるのです。

行長を適切な長さにコントロールし、長い文章を読みやすくするための手段として「段組み」と呼ばれるレイアウト方法があります。
これは文章をブロックに切り分けることで、読みやすい行長に整えるというものです。

段組みは縦書きでも横書きでも、文章量の多い制作物にはよく利用されますが、その分数によって2段組み(図7)、3段組み(図8)などと呼ばれます。
図 5 
一行に入る文字数が多過ぎると、読むために視線を大きく動かさなくてはならない上、改行の際の移動距離が長くなります。

図 6
読みやすい行長は、目をあまり動かさなくても読み切れる量が基本です。
新聞では16文字、雑誌では20文字、単行本では40文字程度が読みやすい行長の目安になります。

図 7
文章をブロックに分割して配置するのが段組みです。
この見本は「横2段組み」と呼ばれる組み方です。

図 8
組む段の数を増やすと、必然的に行長は短くなります。
行長が短くなり過ぎると文章が細切れになり読みにくくなってしまいます。

p51

今度は「行揃え」について見ていきましょう。
「行揃え」は、その名の通り行の位置の揃え方を示す言葉です。
行揃えには「センター揃え」「頭揃え」「尻揃え」「左右揃え」などの種類があります。

センター揃えは、すべての行を左右の中心で揃える方法です(図13)。
中央揃えとも呼びます。
この揃え方は横書きの文章で用いられますが、縦書きの文章には適用しません。
またセンター揃えの文章をレイアウトする際は、文字以外の要素もすべて中央で揃えることが原則となります。

頭揃えは、すべての行を行頭の位置で揃える方法です(図14)。
この場合行末は不揃いになりますが、文節など文章の区切りのよい部分で改行することができるので、散文や詩などのように韻を大切にする文章のレイアウトに適しています。
横書きの文章の場合は「左揃え」、縦書きの文章の場合は「上揃え」とも言います。

尻揃えは、すべての行を行末の位置で揃える方法を指します(図15)。
この場合行頭は不揃いになります。
行頭の位置が揃わないレイアウトは、文章が読みにくくなりがちです。
そのためこの組み方は長い文章のレイアウトには向いていません。
横書きの文章の場合は「右揃え」、縦書きの文章の場合は「下揃え」とも言います。

左右揃えは、行揃えの中で最もまとまり感を強く感じられ、よく使用される方法です(図16)。
特に長い文章をレイアウトする際は、この揃え方が基本となります。
改行の位置がいつも同じなので、行頭や改行の際の目線がスムーズに移動できます。
図 13
センター揃えの文章は、紙面上のその他の要素もすべて用紙の中央で揃えるレイアウトで使用されます。
安定感のある行揃えの手法です。

図 14
詩や散文のように、改行位置を重要視する文章でよく使用されるのがこの頭揃えです。
行頭の位置は一直線に揃いますが、行末は改行の位置によって凸凹した形になります。

図 15
紙面の右側、あるいは下の方に文章を配置する際に利用されるのが、この尻揃えです。
行頭の位置が揃わないので、あまり長い文章では使用されません。

図 16
長い文章をレイアウトする際の基本となるのが、この左右揃えで「ジャスティファイ」とも呼ばれます。
縦書きの場合は「上下揃え」と言います。
行頭・行末ともに直線的に揃うので、端正にまとめられた印象が感じられます。

p56

図 3
文字も線の集合体です。
使用する線と文字とが同じくらいの太さになってしまうと、ぶつかり合ってみる人の視線を混乱させがちです。

図 4
文字の太さと線の太さをはっきりと変えることで、線同士のケンカ状態を避けることができます。

枠の想定 p62

面に仮想の枠を想定し、その枠の中に要素を納めるのがレイアウトの基本です。
プロのデザイナーたちは、紙面を配置する前に必ず「枠」の位置を決めます。
この枠は「版面(はんめん・はんづら)」と呼ばれるもので、基本的にこの枠の外側には文字や写真などの要素を配置しません(図1)。
版面は、紙面全体のまとまりを作るための重要な要素です。
もし、版面を設定せずに要素を配置してしまうと、紙面全体のとりとめがなく、ルーズな印象を与えてしまうばかりではなく、文章が読みにくくなってしまいます(図2)。

紙面の中での版面の割合を「版面率」と呼びます。
紙面に対して大きく版面を設定することを「版面率が高い」、逆に版面を小さく設定することを「版面率が低い」と言います(図 3,4)。

版面率が大きいほど、配置できる情報は多くなります。
そのため要素が多い制作物、例えば情報誌などでは紙面いっぱいまで版面を広げることがあります(ただし印刷物の場合、紙の端から5mmから10mm程度の余裕は必要です)。
掲載される情報量が多いと、にぎやかで楽しげな印象になるため、雑誌や通販カタログといった制作物では、版面率が高くなる傾向があります。
逆に版面率が低いと盛り込める情報量は少なくなりますが、紙面に大きな余白が生まれることで、高級感や静かなまとまりを感じさせるため、ファッションブランドのカタログなどに向いています。
さらに1ページ分の情報を理解するまでの時間も短かくてすむので、テンポよくページをめくって欲しい書籍などは、版面率を低くするケースが多く見られます。
版面を設定したら、その中に本文や図版などを配置します。
ただし、絶対に版面から要素をはみ出させてはいけない、という訳ではありません。
写真やイラストなどを一部版面から出るようにレイアウトすると、角張った平坦なまとまりに変化を付けることができます(図5)。
一般的に版面は「ページもの」と呼ばれる雑誌やカタログなどのほか「ペラもの」と呼ばれるポスターやリーフレットといった制作物にも設定されます。
ページものの場合には、最初に決めた版面のサイズをどのページにも適用します。
共通の版面を使用することで、本体のまとまりを作り出すのです。
ペラものの場合は、ページものほど厳密に版面を設定しないこともあります。
特に配置要素の少ないポスターなどでは、版面を決める意味もあまりありません。

ページものの版面で覚えておきたいのは、本を綴じる側(ノド)の部分をやや広めに設定することです。
これは本を綴じたときに、その部分が中に入り込むことで、実際に設定した版面よりも内側に入って見えてしまうためです(図6)。
本の端になる側(小口)と同じくらいの空きに見えるようにするには、小口の版面位置よりも5~10mm程度広めに空けておきます。

また、版面の上下(上は「天」下は「地」と呼びます)は、均等でも構いませんが、どちらかを意図的に空けることで、紙面の印象も変わってきます。
下の方を空けると重心が上がり、「新しい」印象を持たせることができます(図7)。
逆に上の方を空けておくと、より安定感のある紙面になります(図8)。
図 5 
必ずしもすべての要素を版面の中に納める必要はありません。
写真やマーク、イラストなどをはみ出してレイアウトすると紙面に動きが生まれます。

図 6
ページものの面は、左右ページを対称形にします。
通常小口側(2)より、ノド側(1)の方を広く設定し、本を開いた状態で左右均等に見えるようにします。
本の上下は天(3)地(4)と呼びます。

図 7
版面の位置を上げると、全体の重心も上に上がるので、すっきりとした新鮮な印象が得られます。

図 8
版面の位置が下がると、全体の重心が下がることで、安定した感じに見えます。

p73

制作物にまとまりを持たせることができるようになったら、次はそのまとまった状態に変化を付けるためのルールズが必要になります。
グラフィックにまとまりを持たせるという作業は、その内容をなるべく素早く、そして正確に伝えるためには欠かせませんが、それだけでは平坦でつまらないものになってしまいます。
これは、何もハプニングが起きなかった一日を、後からどんな日だったか思い出すことができないのと似ています。
心に引っかかる出来事がないと、日々の生活は楽しくないでしょうし、印象にも残りません。
グラフィックも同じです。
見て楽しい、あるいは心に残るグラフィックを作るためには、ちょっとした変化を付ける工夫が必要になるのです。

繰り返しになりますが、ここで注意して欲しいのは「変化」というのものが調和やまとまりの上にしか成り立たないという点です。
あらゆるサイズの文字が氾濫していたり、画像の扱いに一貫性がない状態では、文字や画像の大小で紙面に変化を付けることはできません。
それでは単なる「無秩序」になってしまうからです。
つまりこのStepの「変化を付ける」は、前のStepの「まとまりを持たせる」と対(つい)の関係にあるのです。
まとまりを追求して行った結果、デザインが全体的に平坦になり、それを打ち破るためにどこかにポイントを絞って変化を付ける。
さらにその結果全体のバランスが変わってくることに対して、またまとまりを求めて整える…。といった具合に、グラフィックデザインの仕事は、いつでもまとまりを持たせる作業と、変化を付ける作業を行ったり来たりするものなのです。

p94

例えば写真をレイアウトする時の四角形を考えてみましょう。
縦横比率を黄金比率より小さくすると、力強く安定した印象になります。
縦横比率を黄金比率より大きくすると、細身でスマートな印象になります。
また、普段あまり見慣れていない比率なので、新鮮な印象を受けます。

アイドマの法則 p136

アイドマ(AIDMA)とは、人の消費行動を5つのプロセスに分解して解説したものです。
注意(Attention)、関心(Interest)、欲求(Desire)、記憶(Memory)、行動(Action)の5つのプロセスの頭文字から取ったもので、マーケティングや商品開発などの場で取り上げられる機会が多い言葉です。
特に注告や商品パッケージなどのデザインを考える場合、そのデザインがどのように人に影響を与え、行動を起こさせるのかを意識しなければなりません。
どんなに美しいグラフィックであっても、最終的に見た人にアクション(主に購入するかどうかという)を起こさせなければ、そのデザインの使命が果たされていないということになるのです。

しかし「売れる」あるいは「欲しい」と思わせるデザインというので、これをやみくもに考えるのは難しいことです。
そこでこのアイドマの法則が役に立ちます。
この法則の流れに沿ったデザインになっているかどうか、順を追って確認してみるとよいでしょう。
その制作物を見た人が眼を留め(Attention)、興味を持ち(Interest)、それを欲しいと思うかどうか(Desire)、さらにそのことが印象に残るかどうか(Memory)、そして最後にその商品を購入するための導線ができているかどうか(Action)といった具合です。

強調色の使い方 p152

色で要素を目立たせたいときは、色と色とに「差」を付ける配色をしなければなりません
色はその組み合わせ方によって、さまざまな効果をもたらします。
イメージは人の心理に訴えるものですが、ここでは視覚的な効果の面から強調色と呼ばれる目立たせたい部分の色についてを考えてみましょう。

色で要素を強調したい場合には、組み合わせる色同土の「差」が大きくなければなりません。
差のある色同士を組み合わせた場合、特殊な効果が発生することがあります。
それが「対比効果」です。

「色相対比」は色相、つまり色味の違いを付けた色同土の組み合わせです。
組み合わせる色によって、相手の色の見え方が変化します(図1)。

「彩度対比」は、彩度の高いものと低いものを組み合わせる方法です。
この場合、鮮やかなものと組み合わされた色はややくすんで見え、逆にくすんだ色と組み合わせられた色はやや鮮やかに見えます(図2)。

「明度対比」は、明度の高いものと低いものを組み合わせる方法です。
暗い色と組み合わせると、本来の色よりもやや明るく見え、逆に明るい色と組み合わせると本来の色よりもやや暗く見えます(図3)。

「補色対比」は、色相環(P.141参照)の対角線上にある色同士の組み合わせです。
補色関係にある色同士を組み合わせると、それぞれの色がより鮮やかに見え、「ハレーション」と呼ばれる目がチカチカするような現象を起こします(図4)。

「面積対比」は、同じ色同士でも面積によって見え方が変わるという現象です。
面積は小さいほど、色は濁って暗く見えます(図5)。
図 1
「色相対比」の例。
赤を背景にすると、中のオレンジは実際より黄みを帯びて見えます。
黄色を背景にすると、今度は逆に赤みを帯びて見えてきます。

図 2
「彩度対比」の例。
より鮮やかな色を背景にすると中の色は実際よりくすんで見えます。
逆にくすんだ色を背景にすると、実際よりも鮮やかな色に見えます。

図 3
「明度対比」の例。
暗い色を背景にすると、本来の色よりも明るく見えます。
逆に明るい色を背景にすると本来よりも暗い色に変化して見えます。

図 4
「補色対比」の例。
左の色は同系色の背景ですが、右の色は中の色と補色関係にある色です。
組み合わせることでより鮮やかさが増して感じられ、境界線上はチカチカとして見えるはずです。

図 5
「面積対比」の例。
同じ色でも、面積が大きくなると明るく鮮やかに見えるのに対し、面積が小さい場合は濁って見えます。