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「1%の努力」を読んだ

投稿時刻2023年4月8日 06:40

1%の努力」を 2,023 年 04 月 08 日に読んだ。

目次

メモ

p2

「努力が大事だ」と思っている人に、ぜひ、やってみてほしいことがある。

スマホと財布を家に置いて、外に出てみよう。
そして、1週間過ごしてみる。
ただし、家族に頼るのはNGだ。

1週間後、キレイな服で、お腹も満たされて、何事もなかったかのように帰ってくることはできるだろうか。
それができる人は、この本を読む必要はない。

p41

モノを手にいれるということは、その後のメンテナンスを引き受けるということだ。
そう考えると、モノがないことも豊かさだと捉えることができる。
団地はお金を払えばそのまま住める。買ってきたらそのまま食べられるインスタントな感じがして便利だと思った。

当時、2LDKで2万円ほどの家賃だった。JR赤羽駅が近いわりに破格の安さだ。

ただ、僕がいたのは、正確にいうと桐ヶ丘団地群の横にある「国税局宿舎」だった。
構造上ほぼ団地で、国税局の職員だけが住めた。

国税局宿舎なので、もし職員である親が亡くなると、1年以内に出ていかなきゃいけないルールだった。
いま思うとシビアな設定だ。

子ども部屋おじさん p42

いま、ネット上では「子ども部屋おじさん」というスラングが流行っている。
20歳を過ぎても実家に住み続け、 子ども部屋にいるまま、勉強机やベッドを使い続けて30歳、40歳、50歳になっていく独身の人たちのことだ。

晩婚化と高齢化が進み、子ども部屋おじさんが増えていっている。

こうやって新しい言葉が出てくると、突如、新たな人種が現れた気がするだろう。
草食系男子 毒親、ひきこもり、モンスター部下.....。

しかし彼らは、あるとき突然現れたのではない。
「昔からずっといた」のだ。

ニートという言葉も、2004年頃に使われはじめた言葉だが、それ以前にもニートはいたし、江戸時代にもいたし、きっと原始時代にもいた。
急に言葉が生まれて、しかも批判に晒されているときは、こう考えよう。
「彼らは太古からずっといた」

p100

僕と同世代の人を見ていても、40代でありながら目的を持って生きている人は、まだ若々しく見える。
逆に、目的がなくなってルーティンワークだけをしてオジサン化した人も多い。

20代くらいの人と一緒の職場にいる人のほうが、わりと見た目が若かったり、大学に残って研究職をしている人も見た目は若い。
地元に戻って地方の銀行などで働いている人なんかも、残業がほとんどなく、7時くらいには家に帰って夕食を食べているそうで、見た目は若いほうだ。

やはり、老いるかどうかはストレスの具合による。
そして何がストレスかどうかは人によるのだろう。

新しいことを諦めた瞬間に、見た目が一気にオジサンになるのであれば、好奇心はずっと持っておいたほうがいい。

新しい知識や考えに触れる習慣は絶対に持っておいたほうがいいし、エピソード1の話の繰り返しになるが、
「変な人の変な考え」として切り捨てることもしないほうがいい。

p113

2ちゃんねるの根幹にあるものは、たとえサービスがなくなっても、ずっと生き残る。
2ちゃんねる的なニーズを、別のウェブサイトが満たす。

それがいま、ツイッターやヤフーのコメント掲示板、ユーチューブのコメント欄に流れているだけだ。
いくら技術が進歩しても、「使いたい」と思う人がいないとサービスは成立しない。
「2ちゃんねる的な場所」は、ないと困る人がいる。
「匿名で何かを吐き出す場所」は、絶対に未来永劫、なくなることはない。

「この体験が、なくなったら困るな」と、あなたがそう強く感じられるものを安定収入にするのがいい。
あるいは人生を捧げてもいいかもしれない。
そこには第三者の意見が入る余地はない。
誰がどう思っているかは、どうでもいい。
ほかの誰でもない、「この自分」が困るのだから、自分でやる。
「喜んでいる人の笑顔が見たい」
「社会の役に立ちたい」
「市場性がある」
こんなものは、すべて後付けだ。あるいは、就活サイトが作り出したキレイゴトだ。
「それがないと自分が困る」
核にあるものは、これしかない。

出すぎた杭は打たれない p115

2000年代に、2ちゃんねるはどんどん大きくなっていった。
とはいえ、2ちゃんねるの事業で利益が上がるわけではなかった。
それどころか、トラブルが多くてビジネスとしては割に合わなかったかもしれない。
月250万円のサーバー代を捻出するために、バナー広告や出版でお金をまかなっていた。
起業してうまくいっている人は、派手な能力ではなく、地味なやりくり能力や総務のような事務処理能力があるのだ。
問題が起きたら、粛々と対処する。
そこに、「好き嫌い」の私情を入れる必要はない。
2008年には、2ちゃんねるのユーザーは1000万人くらいになった。
ユーザーの平均年齢は30歳くらい。活字メディアとして消費されていたのだろう。
2ちゃんねるの広告が儲かり、年商は1億円を超えた。
ただ、広告に頼るメディアは今後、厳しくなるという予感があった。
新しいメディアが増えると、そのぶん食い合うことになり、薄利多売にならざるを得ない。

僕は上場をしなかった。
上場企業は、集まったお金をそのままにしておくことは許されない。
お金が余っているのなら、設備投資をしたり、企業買収をして、さらに株価を上げなくてはいけない。
ダラダラすることは許されず、競争のうずに巻き込まれるのだ。

117p

たとえば僕がいた頃のニコニコ動画の場合、月に1000万円のコストがかかり、
広告営業もしていなかったので、ずっと赤字の状態だった。

p120

2ちゃんねるの利用者が増えたのは、「匿名」という部分を変えなかったからだ。
正直、匿名であることで、やっかいな問題はかなり増えた。
しかし、やっかいな問題は置いておき、利用者が増えるほうを選んだのだ。

p194

僕はいま、「4chan」という英語圏のサイトを運営している。
2ちゃんねると同じく、アカウントがないのが特徴だ。
多くのサイトは、フェイスブックのように、アカウントを取得するタイプが主流だ。
アカウント制であれば、1人1人、確実にユーザーを増やしていくことができる。
そういうサービスを作りたい会社は世界中にたくさんある。
一方で、みんなが匿名でダラダラ書き込むようなサービスは、トラブルが起こりやすいし、やってもしょうがないと思われている。
だから、その場所なら競争が少なくて、「自分でも勝てる」と僕は踏んだ。
日本の人口が減るということは、日本語を使う人も減るということだが英語圏は違う。
長期的に見ても、英語を使う人がいなくなることは考えにくいので、英語圏の匿名掲示板は、ダラダラと続けていける。
ある程度、規模が大きくなってしまえば、何もしなくても回っていくので、努力は不要だ。

お金儲けの上にあるもの p238

今まで会ってきた経営者で、ラクしてお金を儲けることを否定する人は、ほとんどいなかった。
そこを突いていくのが正攻法だ。
お金がないなら、お金を出してくれる人を口説いて連れてくる。
優秀なエンジニアがいないなら、優秀な人を見つけてきて発注する。
人件費が高いなら、海外に仕事を出す。
それが最も効率的だった。 
ただ、アメリカ人の経営者と話をしたときにショックを受けたことがある。
「我々はお金には困っていない。なんでこれをやるのか、その意義はなんだ」
そう問われたからだ。

そうなってしまうと、議論がまとまらなくなった覚えがある。
大義名分を求めるような人とは、あとは「相性」しか残らない。
フィーリングや価値観が合致するかどうかは、男女が結婚するのと同じだろう。
それでビジネスがうまくいかなかったとしてもクヨクヨする必要はない。
「この人は何を求めているんだろう?」
それを一致させることに集中しよう。
人間の脳は、ある程度モデル化して覚える仕組みになっている。
こればかりは、数をこなすしかない。
それをやった上で、「実績がないからダメだ」と言われたら、大人しく引き下がるしかない。
日本では、そうやって判断されてしまうものなのだと諦めよう。

p275

僕の知人の経営者に、「中卒」を武器にしている人がいる。
経営者だから学歴なんてどうでもいいのだが、
「中卒と名乗ると、相手が必ず食いついてきて、話を聞いてくれるから便利なんだ」と言う。
一般的に欠点だと思われていることを、あえてさらけ出すと、成功率が高まる。
コンプレックスは、自分にしかない切り札に化ける場合がある。
まさに「1%の努力」の実践者だ。